第184話 ウリミア

 ウリミアさんは自分と話がしたい内容は【魔眼】についてだと話してくれていた。


「私は両眼共に【魔眼】ですが、レイさんも片眼が【魔眼】ですよね?」


「はい。 僕も片眼は【魔眼】です。 両眼が【魔眼】だと日常生活が大変そうですね。」


「そうなのよ。 みんな【魔眼使い】だから羨ましいと言うけど、両眼が【魔眼】だと【魔素】や【魔力】以外は見えないから、とても不便なのよね。」


「分かります。 僕の場合は片眼だけだから問題は無いですけどね。 ちなみに、【魔素】や【魔力】以外には何か見えますか?」


【魔力】は見えても【魔導】は見えないのかを試したいな。 今まで【魔眼使い】に会ったことがないから、自分が特別か普通かを知りたい。


「【魔素】と【魔力】以外だと何があるのかしら?」


「えっと、例えば【精霊】とか幽霊などの霊ですね。」


「それは見たことが無いわね。 そもそも【精霊】はいるの?」


「僕のパーティーメンバーに【精霊使い】がいるので、もし見えるならと思ったんですよ。」


【精霊】は自分と同じく見えないか……。


 試しに【魔導】を使い、空中に『文字は読めますか?』と文字を書いてみる。


「そうだったのね。 もし【精霊】が見えたら楽しそうだわ。」


 ウリミアさんやパーティーメンバーの前を邪魔になる位に飛ばしてみたが、反応は無かった。


【魔眼使い】でも全員が【魔導】を見れるわけではないんだな……。

 しかも反応すらしてないのは予想外だった。


 見えなくてもなにか飛んでいるのではと感じられると思ったからだ。


【魔眼使い】でもないエレナやブラットが【魔導】に反応しているのが異常なのかもしれないな。


 最近のエレナに限れば、見えているのではないかと疑ってしまう程の反応だったりする。


「それで話は【魔眼】関係なのですか?」


「そうね……。 眼の話ではあるけど、【魔眼】の話かは分からないわ。 テレーズ、ライザ。」


「「はい。」」


 例の【結晶化】じゃないかと思われる少女2人が、テレーズさんとライザさんみたいだ。

 という事は、内容は【結晶化】の治療法か?


「この2人は、昔に片眼だけ【魔眼】の様に変化したのだけど、特にスキルを使える訳でもなく、単純に視力が極端に落ちただけなの。」


「なるほど。 生まれつきでは無いのですね?」


「ええ、当初は2人共【魔眼】に目覚めたと思っていたみたいだけど、違うみたいだから、治るなら治したいと思ったけど、私には何も分からなかったの。」


「僕なら何か知らないかと思って話しかけて来たのですね。」


「ええ、その通りよ。」


「えっといくつか質問したいのですが。 良いですか?」


「どうぞ。」


「2人の、出身地は?」


「私達6人共に【天上国】出身よ。」


【天上国】ってどこだっけ?

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