第182話 エンジェルアート ②

「もしかしたら、マティアスみたいに【結晶化】に困っているのかもしれないですね。」  


「だとしたら秘密を守ってもらうのも難しいな……。」


「そうですね。 治療する人数が多くなれば噂の広がり方も早いですし、特に同級生なら尚更ですね。」


「成人しているなら自由気ままな旅に出れば良いけど、学生だと逃げられないからね。」


 只でさえ【王国】の王族から【虹魔石】の件で目を付けられている可能性が高いのに、更に【結晶化】を治療したなんて知られたら……。


 というか、学校内の出来事ならほぼ【王国】に伝わりそうだな。


「とりあえず、明日会ってみるしかないか……。」


「そうですね。 話は変わりますが、明後日の予定はどうなっていますか? 明後日の昼頃からエレナ達と買い物に行くのですが、暇なら一緒に行きたいなと思いまして。」


「明後日か……。 この土地を貸してくれているお金持ちの関係者と朝から会う予定でね。 どれくらいに終わるか分からないかな。 早く終わる様なら連絡するよ。」


「分かりました。 途中参加でも良いので待っていますね!」  


「ブラットも来るの?」  


「はい。 ブラットはいつもの荷物持ち要員ですね。 エレナの買う服とか量がありますからね。」  


「ブラットも相変わらずだな。」


 ブラットはいつもエレナの頼みはいやいやながら聞いているのは凄いなと思う。

 まあ、ブラット的にはどうせ暇だから手伝っているという感じなんだろう。




 ☆



 次の日、学校へ行くと教室の前に6人の少女達がいた。


 あれがエンジェルアートのパーティーなのだろう……。


 とりあえずは、昨日逃げたから謝罪をするかな。


「あの……。 昨日はすいません。」


「あなたがレイくん?」


「はい。 僕がレイです。」


「私はウリミアよ。 エンジェルアートのリーダーをしているわ。 体調が悪いと聞いたから、気にしてないわ。 ちょっとレイくんと話がしたかっただけだから。 放課後に時間を作れますか?」


 ウリミアさんは天人族と言われる種族特性がかなり出ている感じの少女で、肌は白く、銀髪の瞳は灰色になっており、背中には小さな天使みたいな羽根が生えていた。


 天人族は天使の末裔ではないかと言われているが、歴史がハッキリと残っていないから分からないが、羽根が生えているので天使の末裔と言われても信じてしまう。


「はい。 放課後なら大丈夫ですよ。」


「ありがとう。 そしたら、私達がよく行くお店があるのでそこに行きましょう。」


「そしたら、こちらのパーティーメンバーも連れて行っても大丈夫ですか?」


「それはもちろん大丈夫よ。 こちらもエンジェルアートのメンバーを連れて行くから。 それでは放課後に。」



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