第181話 エンジェルアート

 ダンジョン攻略を終えて帰ってきた自分達にトラブルが向こう側からやってきた。


「レイ、お前に用があるって言う奴らがいるぞ……。」


 ブラットが伝言役として、自分達のダンジョン攻略が終わるまで待っていたらしい。


「ん? 誰?」


 カンデラリオはあの一件以降、静かになっているし……。


 アメリアさんかな?


「エンジェルアートが教室で待っているらしい。」


「エンジェルアートって誰?」 


「いや、同学年のパーティー名だぜ。 天人族の女子6人組パーティーで同学年では有名な筈なんだが、なんで知らないんだよ。」


「えっと、面倒な予感しかしないんだけど。」


 基本的に他クラスの事には興味が無いから、エンジェルアートってパーティーも知らない。


 しかし、女子6人組って……。


「多分、その予感は正しいと思うぞ……。」


「よし、教室に戻らないで帰ろう。 カーラ先生にはダンジョンで調子が悪くなったって言っとくかな。」


「おい、そんな事をしても明日にはまた学校で会うぞ?」


「とりあえず、今日は会わない方向で……。」


「じゃあブラット、私達もレイと一緒に帰りますから、カーラ先生にうまく伝えといて下さい!」


「マジかよ、俺がカーラ先生に怒られるじゃないかよ!」


「ブラットの、伝え方、次第。」




 ☆



 自分達4人はそのまま学校を後にして、自宅のパーティー会議室に集まっていた。


「レイ、エンジェルアートの人達から逃げて良かったのですか?」


「良くはないだろうけど、何の話があるのか知りたいところなんだよな……。 コーデリア達はエンジェルアートを知ってる?」


「話した事は無いですが、知っていますよ。 むしろレイが知らない事にビックリです。」


「あっ、そんなに有名なんだ?」


「学年別ダンジョン攻略ランキング3位ですから、私達の1つ下で視界には入ると思っていましたが、ランキング見てないですか?」


「あ~、僕はいつもセシリアから自分達とブラット・エレナの順位だけを聞いていたから見た事無いんだよ。」


「そういう事ですか……。」


「確かに初回ダンジョン攻略時に3層を超えた女子6人組のパーティーがあったけど、それがエンジェルアートなのかな?」  


「それがエンジェルアートです。」


「そしたら、単純に目の上の僕達パーティーを見てみたいって理由だったのかな。 ブラットとは会ってるみたいだし。」


「その可能性は高いかもしれませんが、もう1つ可能性がありますよ。」


「もう1つ?」


「エンジェルアートの何人かに【魔眼使い】がいるという話です。 その【魔眼】がレイと同じなのか、マティアスみたいなタイプなのかは分かりませんが。」


「同種族で複数の【魔眼使い】って、【聖霊眼】みたいな感じが高いな……。」



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