第180話 ダンジョン攻略 13層
最近はセシリアショップのオープン準備で忙しいが、授業にあるダンジョン攻略はしっかりとやっていた。
他のクラスメイトも早いパーティーなら5層を攻略出来た位なのだが、ブラットとエレナのパーティーは今日の攻略で15層を突破したみたいだ。
「あの2人はやりたい放題だな。」
「それは、レイも同じですよ?」
「いやいや、僕達は4人パーティーだけど、向こうは2人だけだよ。」
ちなみに、自分達のパーティーは現在ダンジョン前で順番待ちなのだが、昨日までで12層を攻略していた。
「セシリアさんがほとんど見守り状態ですから、実質3人ですし、遅い理由も私とシンシアの移動速度ですから、あまり変わらないかと。」
「そう言われると……一緒な気がしてきたけど、最近自重しないブラットと一緒なのはなぁ。」
最近のブラットは脳筋に拍車がかかり、トレーニングばかりしていた。
「それ、ブラットも、同じ事、言ってた。」
「えっ、なんて?」
「最近の、レイは、自重、しない。」
「ええ!?」
「私達からしたら、2人は変わらないですよ。」
「マジか……。」
☆
やっとダンジョン攻略の順番が回ってきたので、自分達は13層に転移する。
11層からは森が続き、物理耐性の高い悪魔タイプが多かった。
主に出てくるのは人型ゴースト、水霊、木霊などだった。
当初はお化けみたいなものだから、コーデリアとシンシアは苦手かと思ったが、むしろ得意な敵だと聞いてビックリした。
虫や爬虫類は苦手だけど霊は何故大丈夫なのかと聞いたら、エルフの里では無害な霊がそこら中にいたから馴染みがあるからだそうだ。
「やっぱり13層も同じ感じだね。 この前と同じでいこう。」
「私が【水膜】で周囲の木が燃えないように守ります。」
「うん。 焼き、尽くす。」
「人型のゴーストが、右側から4体来るよ。」
「分かりました。」
コーデリアは【水膜】という高性能な防御膜を個別に付与するのとは別に、コーデリアを中心とした15m範囲にも【水膜】を展開していて、シンシアが放つ火で森が燃えるのを防いでいた。
防ぐと言っても、シンシアの高火力な火を防ぐ事は出来ないので、飛び火したのを防ぐ程度ではあった。
人型のゴーストは、コーデリアの展開していた【水膜】を強引に突破してくるのだが、突破してきた次の瞬間にはシンシアの火に4体共に焼き尽くされていた。
「余裕。」
「シンシア、あまり調子にのるとまた火の海になりますよ!」
「むむ、あれは……。」
「まあまあ、今の感じなら大丈夫だと思うよ。 ダンジョン内で森が燃えても逃げれば良いんだし……。」
11層に入ってすぐの時、シンシアは森を焼き払ってしまい、四方が火の海になってしまったところをセシリアに助けてもらった経緯があった。
シンシアも本気で打ったわけでは無いが、制御が甘くて火の粉が木に燃え移ったのだ。
「慎重に、やる……。」
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