第179話 追加素材

 自分は【複製機】の使い道に迷っていた。


 5つあるカプセルの内、3つは料理関係に使うつもりでいた。


 セシリアショップで作成するお菓子や食事などは大量に必要なのだが、自分やセシリアに大量の料理を作っている時間は無いので、大量複製したものを【ストレージ】にしまっておき、注文が入ったら取り出してもらう予定だ。


 大量の料理を複製出来ても、料理店なのに料理をする人や料理をしている痕跡が無いと怪しまれる事になる。


 そこで考えたのが、例の人形を作ってセシリアに遠隔操作させる案だった。


「本当は人形などを作る資金集めの為にセシリアショップをオープンさせたかったのに、セシリアショップをまわす為に人形を作る事になるとは……。」


「目的が逆転してしまいましたね。」


「うん。 そこで【複製機】の使い道に迷うんだよね。 料理に3つは確定として、【自律思考核】は欲しいけど、人形を作るなら【演算増幅】は欠かせないんだよね。」


「【演算増幅】をあと4つ追加してもらえれば人形を操作が出来ると思います。」


「4つか……。 【虹結晶】を短縮に使うとして、2ヶ月。 ギリギリ間に合うね。」


 一応、セシリアショップのオープンは3か月後を計画していた。


 実際にはもっと早くお店は完成しているだろうが、早く完成し過ぎても怪しいから、マギリさんの予想通りに3か月としておいた。



「あとは人形の作成か……。 セシリアは人形のタイプに希望はあるかな? 【虹魔石】の在庫状況から作れても2体が限界だけどね。」


「それでしたら、コアにする【魔導スライム】は脱着可能にしてもらい、後日に複製した【属性増幅】と交換出来る様にお願いします。 あと、骨格の強度は高めでお願いします。」


「ん? 人形で戦闘もさせる?」


 当初は人形に戦闘はさせないで雑用係にしようと考えていたのだが……。


「まだ戦闘が出来るかわかりませんが、骨格さえ丈夫ならば戦闘も可能かもしれません。」


「なるほどね。 なら僕用の鎧と同じ強度にするかな。」


「ありがとうございます。 マスター用の鎧は順調なのですか?」


「今はまだ、図面段階かな。 作り自体はセシリアの肉体を参考にしているから、巨大な人形の中に僕が乗り込み、【魔導スライム】の代わりに僕が入る感じだね。」


 イメージでは前世のアニメに出てきた宇宙ロボットの小型版だ。


 計画では全長20mの超巨大な鎧になる予定だ。


 本当ならもっと小さくは出来るが、小さいロボットにはロマンが足りない気がしたので、思い切って超巨大なサイズにした。


 サイズが大きいと材料費はかかるが、簡単に出力を上げられるので作りやすいと思う。


 ちなみに、骨格部分は【神木材】になり、その上にセシリアみたいな人工筋肉を付けてから、【神紙】を皮膚の代わりに付けて鎧を着せるつもりだ。


 まあ、見方によってはロボットというよりは……。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る