第175話 複製した料理
自分はコーデリアとシンシアを自宅部分に招待していた。
自宅部分は、地上3階、地下2階建てにしており、1階の玄関を入った所にはパーティー会議室を作っていた。
パーティー会議室には机と椅子があり、会議や食事にも使える様にしていた。
「これから食事を出そうと思っているんだけど大丈夫かな?」
「量にもよりますが大丈夫ですよ。 学生寮の晩御飯は食べなくても問題無いですからね。」
「私も、大丈夫。 むしろ、お腹が、空いている。」
「了解。 それじゃあ【ストレージ】にある料理を出すよ。」
自分は、【ストレージ】から唐揚げ、ナポリタン、ピザ、スープ、サラダを取り出す。
これは全て【複製室】で作ったものなので、原料が全て【魔素】から作られているとは未だに思えないな。
「あっ、既に【ストレージ】へ料理をいれていたのですね。 しかも冷めてない?」
「【ストレージ】内は何故か時間が止まっているからね。 温かいものはずっと温かいんだよ。」
「それって凄くないですか? それだけで仕事が有りそうですよね。」
「最近は【ストレージ】の性能に慣れちゃったけど、言われてみたら凄いのかな?」
「そうですよ。 セシリアさんの件もそうですけど、レイがよく言う自由に生きたいなら【ストレージ】もあまり性能は言わない方が良さそうですね。」
「やっぱりそうかな? とりあえず、料理を食べて感想をもらいたいんだけど、良いかな。」
「分かりました。 レイが作ってくれる、美味しい料理に見えますよ?」
「うん。 香りも、美味し、そう。」
そして、2人は美味しそうに晩御飯を食べ始めた。
先に自分も【複製機】で作成した料理を食べたけど、【魔素】で出来ているとは全く分からないクオリティーだった。
2人には食べてもらう理由は、自分には付与されない効果があるのではないかという疑惑があったからだ。
もちろん、良過ぎる意味でだ。
【素材の極み】と【魔素】を組み合わせたら【魔力増大】とか有りそうだからだ。
食べているのを見ても、普通に笑顔で食べているが変化は【魔力】が微増しているだけだった。
「マスター、大丈夫そうですね。」
「うん。 今のところは普段、僕が作る料理に出る【ステータス微増】位だね。」
「これならばセシリアショップで大量生産が可能ですね。」
「そうだね。 あとは【複製機】の時間管理を間違えない様にしないと。」
【複製機】はとても便利だが、いくつか不便な点もあった。
一度複製を開始したカプセルはキャンセル出来ず、完成するまで待たなくてはいけない。
もちろん素材の追加で時間短縮も出来ないから、例えば【自律思考核】を5つ作成したら、カプセルが追加されない限りは20年は【複製機】が作成中になってしまう。
あとは、ラーメンの作成時間が5分なのに30分後に取りに来たら、悲惨なのびたラーメンがカプセル内にあったりした。
これはカプセル内に時間停止機能はないから、短時間のものを作成する場合は放置し辛いのだ。
アラーム機能も無いから地味に不便だった。
対策としては、寝る前に起きる時間に完成する様に【個数】などで朝の起きる時間に調整してセットするか、自分が【魔導工房】内で寝ていればセシリアが出入り自由になるので、丸投げするかだ。
「料理を大量生産する問題は解決しそうですね。」
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