第168話 全てはバレている?

 カーラ先生から、広大な敷地と必要な建材を提供してもらう話が終わり、カーラ先生に感謝の言葉を言っていたらマギリさんから更なる爆弾が投下された。


「レイ様、先程話した私の上司から直接会って話したいと言っていました。 どうしますか?」


「どうしますか?って断れるのですか?」


 マギリさんの上司ってかなり、偉い人だろう。


「普通なら断れないが、両親がかなりの発言力だからレイの場合なら断れるな。」


 なるほど、断れるのか……。


 一度、両親に聞いてから返事するかな。


「あと上司からは話の内容も伝える様に言われています。」


「ん?」

 

「内容は以前取引をした【魔石】について、聞きたいとの事です。 悪いようにはしないので逃げないで下さいと言っていました。」


「ああ!?」


 思い出した!


 セシリアが目覚める前、ダンディー執事に【虹魔石】を大量に売って、資金の荒稼ぎをしたんだった。


 しかし、【虹結晶】でなくて良かったな。


【虹魔石】なら全属性対応の【魔石】ってだけで、特殊なスキルなどが記憶されている場合もあるが、出力的な問題で悪用されても大した事にはならないと思う。


「分かりました。 マギリさんの上司と話をします。 」


「ありがとうございます。 拒否されたらどうしようかと思いました。」


「マスター、大丈夫なんですか?」


「まあ、悪いようにはしないって話だし。 最悪、両親に相談しよう。」


「おい、マギリ。 絶対にレイの両親は怒らすなよ? 【王国】が地図から消えるかもしれないからな……。」


「カーラ先生、いくら僕の両親でもそんな事しませんよ~。

 それに国に喧嘩をするなんて非現実的ですよ。 」


 真剣な顔でカーラ先生はマギリさんに警告しているが、流石にそれはないだろうと思う。


「レイ、両親の強さを知らないのか? 私が1万人居たとしても、両親には勝てないぞ。」


「まさか、そこまで強いって意味分からないじゃないですか。」


 カーラ先生は【ハンタースクール】の中でもかなり強いと聞いた事がある。

 そんなカーラ先生が1万人もいたら1人で倒せるものではないだろう。


「レイ達も冒険者をするならいくつもの伝説を聞くことになるだろうが、ほとんどが実話だからな。」


「カーラ、心配しなくても大丈夫でしょう。 【王国】はそんな愚策はしませんよ。 レイ様、お店がオープンする頃になったらカーラに連絡してください。 サポート出来る事はしていきますから。」


「ありがとうございます。 早めに完成させますね。」


「どんなに優秀な【建築士】に頼んでも3か月はかかるでしょう。」


「えっ、あ、はい……。」


 どうしよう。


 店舗部分と宿舎に関してはすぐに出来るから、レストラン部分を作るなら1ヶ月かかる位とは言えないな……。




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