第166話 新セシリアショップ? ②
学校が休みの日にカーラ先生から呼び出されて学校入口にいたのだけど、そこにはカーラ先生と見知らぬ男性がいた。
「初めまして、私はカーラ様のお世話担当であるマギリです。 今日はカーラ様所有の土地を貸すと聞きましたので同行しました。」
「おい、マギリ! いつも様なんて言わないだろ。 気持ち悪いからいつも通りにしろ。」
「分かりましたよ、カーラ。」
「カーラ様?」
カーラ先生はもしかして偉い人なのか?
もしかしたら、冒険者で成功したお金持ちというパターンもあるな。
「ちっ、生徒には秘密なのに……。」
「それは失礼しました。 ですがこれから土地を貸すならバレますよ?」
「確かにそうだったな。 レイとセシリア、他の生徒には秘密なんだが……」
実はカーラ先生、【王国】の王女だったのである。
とは言っても第6王女なのでかなり自由な立場だったので冒険者をやっていたみたいだ。
「まさか、カーラ先生が王女様だったとは……。」
「私も王女って感じではない自覚はあるからな。 あとは私が王女って生徒にバレると更に萎縮するから秘密にしているんだ。」
「ああ~、分かります。」
只でさえカーラ先生は見た目が怖いのに、権力まであったら……
「レイは事情を知っても私への対応は変わらないな……。」
「えっ? 少しは気にしますよ。」
「普通ならもっと対応が変わるんだが……。 まあ、私はその方が助かるけどな。」
「レイ様とセシリア様は卒業後、うちに就職しませんか?」
「おい、マギリ! 冒険者を目指している生徒を別の道に勧誘するな!」
「おっと失礼……。 カーラを前にして普通にしていられる人材はかなり貴重ですからね。」
「普通にしているって?」
カーラ先生は服装のセンス以外は普通だと思うが、どういう意味だろう?
「その質問が出ている時点で貴重なのですが……。 レイ様、私の手を少し触ってみてください。」
マギリさんの手を触ると微妙だか震えていた。
「手が震えている?」
「そうです。 カーラには【魔圧】という【威圧】に似たパッシブスキルがあるので、長年カーラに仕えている私ですら少し震えてしまうのです。」
「その点、お前達やエレナは私の【魔圧】が一切効いていないから不思議なんだよな。」
「僕達とエレナだけですか? ブラットは?」
【魔圧】がどんな感じなのかわからないが、自分やエレナが【威圧】に似たスキルの耐性があるのなら、理由はきっと親の影響かなと思うが、それから3人の中で1番の【威圧】がキツイ、ガインおじさんからずっと訓練を受けているブラットが【魔圧】の耐性が無いのはおかしい気がするな。
「ブラットも若干だが【魔圧】が影響していそうだな。」
「【魔圧】はブラットにも効果があるのか……。 パッシブスキルで生徒が本来の力を常に発揮出来ないって、学校として良いんですか?」
「私の担当するクラスは成長率が高いと評判だよ。 ビビるやつがほとんどいなくなるからな。」
「そうなんだ……。」
「そろそろ目的の土地に行きますか。」
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