第165話 新セシリアショップ?
クラスメイト達と親睦会をしている中で、エレナが【スカウトフォート】に新しいセシリアショップを出さないかという話をしていたところで、カーラ先生が思いがけない提案をしてきた。
「なんだ? 土地さえあればこの唐揚げを販売出来るのか?」
「えっ?」
「どうなんだ。 唐揚げを販売する店を出すのに足りないのは土地だけなのか?」
カーラ先生は生徒に何を言ってるんだ?と思いながらも、実際のネックは土地だけだったので……
「はい。 とりあえずは土地があればお店をオープン出来ると思います。」
「なるほど……。 レイ、こんどの休みに付き合え、案内したい場所がある。」
カーラ先生が珍しく悪そうな顔でニヤリとしたので、若干怖かった。
「あの……。 仮に土地があっても僕には購入するお金が……。」
「まあ、良いから休みの日に来い。」
「は、はい。」
誰もカーラ先生に酒なんか飲ませてないよな?
その後、親睦会はクラスメイト達のダンジョン攻略の失敗話や低学年の時の話など楽しそうに話す時間が続き、学生寮の門限時間が近付く頃には親睦会も終わりになっていた。
「なかなか良い感じだったにゃ。 やっぱりレイの料理パワーは凄いにゃ。」
「確かにな。 特にカーラ先生が終始笑顔だったのがちょっと不気味だったがな……。 レイはカーラ先生に変な物を盛ってないよな?」
「いや……。 いつもの料理だよ。 僕もカーラ先生のニヤリとした笑顔で食べる姿にはちょっと恐怖を感じたね。」
「カーラ先生優しいですが、いつも怖い顔をしていますからね。」
「違う、怖さが、あった。」
☆
学校が休みの日ではあったが、自分とセシリアの2人は学校の入口でカーラ先生を待っていた。
「話の流れ的にはカーラ先生が土地を紹介してくれるって感じだったけど、土地を借りるにしてもお金が足りるかな。」
「土地の規模次第ですね。 マスターの希望する規模ならぎりぎりお金は足りると思いますが、そうすると店舗建設や【虹結晶】の作成資金が足りなくなります。 資金運営も少しは余裕が欲しいです。」
「そうだよね~。」
実はセシリアには資金運営を全て任せており、試作で作った【魔導具】や【虹魔石】で使い道がないものを一般流通しても大丈夫な様に加工して、セシリアに販売したり資材と物々交換してもらっていた。
少し待っていたら、カーラ先生が来たのだが、知らない男性が一緒にいた。
「レイ、待たせたな。 それじゃあ行くか。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。 カーラ先生! どこへ行くかとかの説明は?」
「そうか、言っていなかったか。」
「カーラさんは相変わらずですね。 今日も急に呼び出しますし。」
「カーラ先生、そちらの男性は?」
カーラ先生への話し方からしてかなり仲の良い人なのかな。
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