第164話 親睦会

 エレナ主催の親睦会は、結局クラスメイトが全員参加するというクラスイベントに発展していた。


 クラス全員参加だと流石に責任者としてカーラ先生も見守りが必要になっていた。


「カーラ先生、すいません。 なんか大事になってしまって……。」


「全然大丈夫だ。 学校行事以外だとこういう集まりも無いからな。 レイは気にせずに楽しめ。」


「ありがとうございます。 代わりに美味しいお菓子を持って来ますので。」


「ああ、私は甘いものが苦手でな、ほとんど肉とか酒に合うものしか食べないんだ。」


「……今度、酒に合うつまみでも持ってきますか?」


「そうか? なら、頼む。」


「分かりました。 いくつか持ってきますよ。」




 ☆




 親睦会当日の放課後。


 放課後になったらクラスメイト全員で教室を親睦会用に準備してから親睦会がスタートした。


「今日は私とレイが主催の親睦会に集まってくれてありがとにゃ。 レイ、食べ物をよろしくにゃ。」


「これから配るお菓子は趣味で作って来たので食べてみて下さい。」


 コーデリア、シンシアにはお菓子に合う紅茶を配ってもらい、お菓子は各自が好きなのを選んだらセシリアが取り分けてくれるスタイルにした。


 今回用意したお菓子は……


 ベリータルト(中はアーモンドクリーム)

 シュークリーム

 マドレーヌ、フロランタン、フィナンシェ

 ガトーショコラ

 イチゴのショートケーキ


  カーラ先生用に唐揚げ、チャーハン、ポテトフライを用意した。



「すごーい! お店みたい!」

「全部美味しそう!」

「どれ食べるか迷っちゃうよ~。」


「一応、全員が全種類食べられる量を用意したから大丈夫ですよ。」


「レイくん、こんなに高そうなお菓子を大量に用意して大丈夫だったの?」


「そうだよね。 私達は500コルトしか払ってないよ?」




 先生はお金の心配してくれているが実際は自分が作っているし、材料はまとめ買いで安く仕入れているから販売価格の3割位の値段で作れているからたいした出費ではない。


「大丈夫ですよ。 この位の量ならそんなにお金はかかってないです。」


「レイくん! これ凄く美味しいよ!」

「すげーうまいぞ!」

「やばい、こんな旨いの食べたことないよ……」

「レイくん、これって簡単には作れないの?」

「私、親に食べさせたい!」



「これからの親睦会も参加したらお菓子を食べられるの!?」


  「一応はその予定だよ。」


「レイ、この唐揚げが凄い美味いな。 金を払えばどこかで買えるのか?」


「いえ、カーラ先生の料理も僕が作りましたから、売ってはいないですね。」


「そうなのか……。」


 カーラ先生は唐揚げが凄く気に入ったのか、売ってはいないと分かると落ち込んでいた。




「レイ、やっぱりセシリアショップを復活させるべきにゃ。」


「いや、土地さえ確保出来ればセシリアショップのオープンも可能なんだけど、流石に土地を買うだけの余裕が無くてね。」


「残念にゃ~。」


「なんだ? 土地さえあれば唐揚げを販売出来るのか?」



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