第159話 カンデラリオ

 自分達は昼休みに放課後に何をするかの話をしていたら、金髪の太った貴族であるカンデラリオがコーデリアを無理にパーティーに勧誘しようとしていたが……。




「調子にのって……」


「消し炭に、する。」


 コーデリアとシンシアはカンデラリオを殺すんじゃないかという殺気を放っていた。


 2人がここまで怒るのは珍しい。


「ひいっ、なんだこの女達は! 俺を殺すような目をしやがって!」


「カンデラリオ様、私達の後ろにお下がりを……。」


 カンデラリオのパーティーメンバーなのか、綺麗な女の子2人がカンデラリオの前に出て守ろうとして、1人の女の子がコーデリアさんに向かって剣を突きつけてきたので、自分とブラットがコーデリアとシンシアの前に出る。


「あなたは直ぐにカンデラリオ様に謝りなさい!」


「お前達も殺気位で教室内で武器を抜くなよ……。 流石に俺も攻撃してきたら反撃するぞ?」


 今度はブラットがコーデリアの殺気とは別物なレベルの殺気が教室全体に広がる。


 コーデリアとシンシアはブラットの殺気で少しは冷静になったみたいだ。


「ごめんなさい、レイ、ブラット。 いつも迷惑かけてばかりね……」


「ごめんなさい。」


「まあ、良いよ。 カンデラリオの発言は僕もどうかと思ったからね。」


「友達なんだから、そんなことは気にするなよ。 出来ればもう少し冷静に対応しては欲しいけどな……。」



「お前ら、私の教室で問題を起こしてんじゃねーよ!」


 誰かがカーラ先生に知らせたらしく、怒りながら教室に入ってくる。


「問題の原因はなんだ!」


「あそこにいるカンデラリオくんが、パーティーメンバーのコーデリアに無理な勧誘をしてきたのが原因です。」


「また、レイのパーティーか……。 問題が起きたら私でも上から怒られて、始末書を書かされるんだからな?」


 カーラ先生が始末書を書いている姿が全く出来ないなんで言ったら更に怒るだろうな……。


「貴様等! 俺がわざわざ出向いて誘っているのに、何が無理な勧誘だ! 変な言いがかりを言うな!」


 カンデラリオは相変わらずムチャクチャな事を言ってくる。


「カンデラリオは昨日も担任の先生にダンジョン探索で怒られていただろ?  それにお前のパーティーは既に6人いるんだから、これ以上は増やせないぞ。」


「ふん、回復役のあの女はパーティーから除外した、あいつの回復が間に合わないせいで俺はダンジョンでワニに食われたんだぞ。」


「……それで回復が出来るコーデリアの勧誘か? お前のパーティーが全滅したのはレベルに合わない強さのエリアに行ったのが原因だと聞いているぞ?」


「10層をクリアしたパーティーがあったと聞いたからな、天才である俺も行けるはずだったのに……。 全滅したのは回復役の使えないメンバーのせいだ。」


「……お前は、本気でそれを言ってるのか?」



 カーラ先生の物凄い怒りが教室内を支配した……。





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