第151話 2人に秘密を打ち明ける ②

 カフェにてコーデリアさんとシンシアさんに、自分のスキルについて打ち明けていた。


「それで、もう1つの【ジョブホッパー】が重要なんだけど……」


「【ジョブホッパー】ってどんなスキルなのか名前からは全く想像出来ませんね。」


「不思議な、名前の、スキル……。」


 この世界には当然だが、転職という概念がないから【ジョブホッパー】という言葉は無いんだろうな。


「【ジョブホッパー】はいくつか条件はあるけど、簡単に言えばいくつもの【職種】になれる固有スキルだよ。」


「いくつもの【職種】? レイくんは【職種】が1つではないって事ですか?」


「そうだよ。 現在の【職種】は3つで、【魔導剣士】【魔導技師】【魔導操者】なんだよ。」


「レイくんは万能だとは思っていましたが、違ういくつもの【職種】を取得しているなら納得です。」


「実際のスキル効果は見せながら説明しないと分かりにくいから、どこか安全な場所で試すとして……。」


「あとは私からも伝えておくことがあります。」


「セシリアさんがなんでしょう?」


 コーデリアさんとシンシアさんはこの流れから、セシリアが伝えたい事があるということで、何の話が分からない感じだった。


「もしかして、レイさんを、好きに?」


「それは……。 強敵が現れてしまいますね。」


「いや、それはないから。」


 どこをどう考えたらセシリアが自分の事を好きになるのだろうか?


 というか2人は、ほとんど告白している様な発言だけど、気が付いているのだろうか?


「マスター、こうなるから伝えておいた方が良いのです。 見た目だけなら、マスターと女性3人のパーティーになりますからね。」


「なるほど……。 余計な疑惑は消しておいた方が良いって事か。」


「「?」」


「まず、コーデリアさんとシンシアさんにハッキリと伝えておきますが、私がマスターと恋愛関係になることはありませんので安心して下さい。」


「それは分からないじゃないですか!」


「うん。 レイさんは、もてる、から……」


「信じてもらえるかは分かりませんが、私はマスターに作られた【魔導生命体】という人工生命体です。」


「えっ? 人工生命体?」


「セシリアさんは、レイさんに、作られた?」


「ちなみにセシリアは自我もあるし、表面的な造形も人類に近い様には作られているけど、人類にある脳や心臓の様な臓器は無くて、胸の部分にコアとなる【虹結晶】という【魔石】みたいなのがあって、全身にも小さな【虹結晶】を操って全身を動かしているんだよ。」


「信じられない技術ですが、レイくんが私達に嘘を言う必要も無いので信じます。 レイくんがその気になればセシリアさんを量産する事が出来るのですか?」


「いや、セシリアのコアになっている【虹結晶】は大量に作ったけど、自我に目覚めたのはセシリアだけだったんだよね。 だから量産は今のところ無理だよ。」


「そうだったのですね。 セシリアさんを量産出来たら世界が一変しそうですけどね。」


「セシリアさんは、私より、強い……。」


「話が逸れましたが、私とマスターは【同期】という能力で繋がっており、知識などを共有しています。 私はマスターの分身体と認識していただければ、私とマスターが恋愛関係になることは無いと分かると思います。」


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