第150話 2人に秘密を打ち明ける

 自分はコーデリアさんとシンシアさんにスキルについての話がしたいと言って、この前にパーティーの話をしたカフェへ、また来ていた。


 ここのカフェは、味がとても良いだけでなく、小さな個室がたくさんある特殊なところで、あまり他人に聞かれたくない話をする時に丁度良いとエレナが言っていた。  


「レイくん。 スキルについて話しておきたい事とはなんですか? 私とシンシアは無理にレイくんのスキルを詮索するつもりは無いですよ。」


「うん、レイさんは、普通の、人とは、違うのは、分かる。」


「ありがとう。 だけどスキルに関してはパーティー内の連携にも関わるから伝えておこうと思っていてね。 ちなみに他の人には内緒でね。」


「分かりました! 死んでも話しません!」


「うん。 必ず、秘密に、する。」


「いや、そこまでしなくて良いからね!?」


 まあ、2人からならスキルの事がバレても良いかなと思っていた。


「それでね。 僕の固有スキルに【ジョブホッパー】と【鑑定】というのがあってね。 2人は僕が【魔眼使い】だって知ってると思うけど、【鑑定】とかは特殊な【魔眼】らしくてね。 【魔力】の代わりに【魔導】というものが使えるんだよ。」


「【魔導】ですか? 【魔力】と何が違うのですか?」


「大気中の【魔素】が見えない人には分かり辛いかもしれないけど、普通の人は大気中の【魔素】をゆっくりと体内に取り込んで【魔力】に変換してから【魔力操作】などを使い、【魔法】などのエネルギーにしているけど、僕は大気中の【魔素】を体内に入れることなく【魔導】というエネルギーに変える事が出来るんだよ。 もちろん体内に入れれば【魔導】を圧縮したりもしやすいとかいろいろあるけどね。」


「レイさん、ごめんなさい。 分からない……。」


「私も何となくは分かりますが何が違うのか分からないです。」


「えっと、つまりは普通の人なら体内にある【魔力】しか使えないから【魔力】切れをするけど、僕の【魔導】は大気中にある無限に近い【魔素】をそのまま変換して使えるから【魔力】切れみたいな事は起きないんだよ。 一度に使える【魔導】は【魔導操作】次第だけどね。」


「【魔力】切れに、ならない、なんて、【魔法使い】、から、したら、夢の様、な事。」


「確かに凄そうですね。」


「コーデリアさんの【精霊魔法】も【魔力】を消費しないみたいだから、僕の【魔導】に近いのかもしれないね。」


「私の【精霊魔法】は明確なイメージをもってお願いしても、思い通りの結果にはなりにくいので、ちょっと違うかもしれませんが、【魔力】切れにはならないという点に関しては似ていますね。」


「コーデリアさん自身も【精霊魔法】に関しては把握出来ていないの?」


「はい。 【精霊魔法】はエルフ族でもほとんど取得しないスキルらしく、完全に使いこなすには【神子】にならないと無理だと言われていますが、伝承の様なものなので詳しくはわかりません」


「【神子】? それはどうやるの?」


「【神子】になると契約により【エルフの里】から出られなくなるので、私とシンシアは外の世界を見たいから逃げてきたのです。」


「それで2人は実家に帰らなかったのか……。 【エルフの里】から連れ戻そうという人が来たりはしないの?」


「あっ、いえ、逃げると言っても【エルフの里】に戻れないだけで、罰みたいなものは一切無いです。」


「なるほど。 それなら安心なのかな?」


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