第147話 カーラ先生とブラット ②

 ブラットとカーラ先生の模擬戦は木の武器で戦う事になっていた。



 修練場の壁には多種多様な木の武器がおいてあり、そこから好きな形の武器を選んで戦うらしい。


 カーラ先生は迷わず大きめの木の斧を手に取っていた。


 そして、ブラットは……。


「カーラ先生、武器は何本でも良いですか?」


「ん? ガイン様と同じ戦い方をするのか……? 使いこなせるなら何本でも使って良いよ。」


「じゃあ、遠慮無く……。」


 大剣 3本、剣 6本、槍 5本、片手斧 6本を持って地面に突き刺す。


「おいおい、いくらなんでもそんなに使えるのか?」


「20本位なら大丈夫ですよ。」


「まあ、いいか。 それじゃあ、やるぞ。」



 模擬戦が開始されると、ブラットは木の武器にスキルを発動させる。


 そうすると木の武器達が魔力を帯びて輝き出す……。


「ブラットはいきなりあのスキルを使うんだね。」


「修練場ならスキルが暴走しても大丈夫だと判断したんじゃないかにゃ。」


 これがブラットの新しい固有スキルである【闘神の加護】だ、高学年に上がる時にブラットがガインおじさんから継承してきたのだ。


【闘神の加護】は発動させてる間は【武器操作】と言うスキルが使えるようになり、武器を自在に操れる。


 慣れると自分のエリア内なら武器を浮かして自動投擲も出来るし、切れ味や強度の強化以外にも武器に特殊な力を付与する事が出来たりするらしい。


 若干、自分の使う【魔導操術】に似ているのかな?


「マジでガイン様のスキルを使えるんだな……。」


「行きますよ。」


 ブラットは大剣の2本を残して、カーラ先生の周辺に武器を山なりに投げていき、投げ終わったら両手に大剣を構えて突っ込んでいく。


「まだその場からは武器を操れないんだな。」


「まだ、慣れてないんでね!」


 ブラットはカーラ先生の足下のにある武器を微妙に動かし、カーラ先生が少しでも動くと足首が切れるように配置しながら切りかかる。


 ブラットの戦いは上手いと思うのだが、やっぱり、カーラ先生は強いな……。


 ブラットの攻撃を簡単にかわされていた。


「お前はまだ視線が正直だな、フェイントをいれないと私クラスにはカモだぞ。」


 カーラ先生はブラットに指導しながら戦う余裕すらあるらしい。


 ブラットにはスキル等もまだ発動するタイミングに隙があるので簡単にかわされる。


 そして、ブラットはカーラ先生から、鳩尾に蹴りを食らい、壁に吹き飛ばされて模擬戦が終わる。



「カーラ先生は流石に強いな……。」


「お前も10歳にしては化け物クラスだな、卒業までに私がスキルを使う位に強くなったらなんかプレゼントしてやるよ。」


「いや、プレゼントはいらないかな……。」


「あぁ?」


「楽しみにしていますよ……。」






「ふっ~。 ガイン様に学校を消し飛ばされないで良かった……。」


 1人安堵の表情の先生がいたのだった。




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 名前・ブラット(10歳)

 状態・良好

 属性・火

 職種・グラディエーター

 種族・人族ハーフドワーフ


 パッシブ・強者の威圧、闘技、鍛冶


 アクティブ・浸透打、重撃、武器生成

       闘技場の覇者、身体強化

       ファイアボール


 固有スキル・闘神の加護


 装備・鋼の大剣

    鋼の剣×2本

    鋼の盾

    皮の鎧一式


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