第146話 カーラ先生とブラット
入学式が無事終了し、教室に戻ったあとは明日から始まる授業の説明をカーラ先生がしていた。
カーラ先生の見た目からしてヤバイ先生かと思ったけど、授業の説明とか普通に分かりやすいし、とても優しい。
実はまともな先生なのか?
いや、いきなり生徒と模擬戦をやりたがるバトルジャンキーは普通ではないか……。
☆
入学式後のホームルームも終わった事で、カーラ先生とブラットの模擬戦が始まるからと、クラスの全員が2人の戦いを見に行くのだった。
模擬戦をやる場所は、学校内にある修練場の区画にある広いコロシアムみたいなスペースだった。
このコロシアムみたいな場所には観客席もあるから、学校のイベントでも使うのかもしれない。
カーラ先生を見ると、相変わらずのビキニアーマーに巨大なバトルアックスを持っていた。 そしてバトルアックスには刃がしっかり付いており、確実に魔獣を殺す用の武器だった。
……この先生は生徒を初日に殺す気か?
「カーラ先生はその武器で俺と戦う気なんですか?」
「ああ、そうだぞ! 私が戦うときはいつもこの武器だ。」
「そんな斧で斬られたら死にませんか?」
「ああ、詳しい説明は授業でやるから省くが、この場所は死んでも生き返る事が出来るから、恐れずにガンガン攻めてきていいぞ。」
生き返るってどういう事だろうか?
もし、そんな不思議なシステムが普通にあるのなら調べたいな。
これからカーラ先生とブラットが戦おうというところで、副担任と共に、体格の良いおじさんが入って来て、カーラ先生に向かい叫んだ。
「カーラ! また入学式の初日に問題を起こす気か!」
「ちっ、うるせぇ野郎が来たな……。」
「今回はお前の為にも止めた方が良いぞ!」
「ああ? 私が負けるって言うのか?」
「ちがう。 ブラットくんはガイン様の息子だからだ。 ここまで言えば分かるだろう!」
「なに! ガイン様の……?」
「オヤジの事を知ってるのか?」
なんでここでガインおじさんの名前が出てくるんだ?
「君のお父さんは【ドワーフの国】ではもちろんだが、【王国】内でも有名なんだが、息子なのに知らないのかい?」
「オヤジは元王国騎士団の【鍛冶師】だったんだろ? それ位は知っているぞ。」
「いや、【鍛冶師】もそうだが……。 剣に関しては【ドワーフの国】内でトップの実力者な上に国を救った英雄なのだよ。」
「なるほど、いくら死なないフィールドとは言え、ガイン様の子供に可能性は低いが障害でも負わせたら、私は実家に帰れなくなるか……。」
「カーラ先生もオヤジを知っているんだな。」
「ああ、冒険者でガイン様、レオン様を知らない奴はいない位には有名だ。教科書にも出てくるからな。 息子なのに知らないのか?」
「強いらしいってのは聞いたことあるけど、実際にオヤジが本気で戦ってるところは見た事がないからな。」
「ガイン様の本気とまともに戦えるのは【魔王】様達を除いたら【王国】ではレオン様かエリー様位しかいないよ。 エリー様も現役引退してどこにいるかは不明らしいしね。」
「レオンさんにエリーさんか……。」
全員自分達の知り合いじゃないか……。
実は【モロット】って凄いメンバーの集まりだったのか?
逆に凄いから知り合いなのかもしれないな。
「仕方ないから、そこにある木の武器でやるか……。」
「一応、模擬戦はやるんですね。」
「カーラ、頼むから問題だけは本当に起こすなよ……。」
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