第130話 チェスガン襲撃⑤

  《チェスガン》へ向かう馬車の中で自分はセシリアから、お父さんが学園に到着したと連絡がきてホッとしていた。

 セシリアの話では一匹だけやたら強い魔獣はお父さんが捕縛して、現在は街中の魔獣を殲滅中みたいだ。


 完全に生きている魔獣がいないのを確認するまでは、学園の地下シェルターに避難している人達の避難解除はされないらしい。


 そして《チェスガン》の街は荒らされ被害は甚大みたいだ……。


 特に女性騎士団は生き残ったのがたったの7名だったらしい。

 基本的に騎士団の人は街周辺の警護しかしないから死者は出ないらしいので、今回の死者50名を超えるのは王国始まって以来かもしれないみたいだ。



 ☆



 自分達は 《チェスガン》に到着したらまずは、殲滅を終えたお父さんと合流してから、お母さんは怪我をしている騎士団員の回復をして、お父さんは街の外を見て廻る事にしたらしい。


 自分とセシリアの関係をあまり知られたくない理由から会うわけにはいかないので、セシリアには店舗で避難中のリリさんとネルさんの様子を見て貰った後は、【魔導砲】と【魔導散弾銃】を回収してもらう事にした。

 まあ、これだけセシリアが動いてしまっては関係がバレるのも時間の問題かもしれないけど、人命にはかえられないだろう。


 そして自分は学園で避難中のコーデリアさんとシンシアさんの様子を見に行こうと思う。



 ☆


 学園内にて地下シェルターから出てくるコーデリアさんとシンシアさんを発見した。


「コーデリアさん、シンシアさん!」


「レイくん!? なんで学園にいるのですか?」

「レイさん!」


「学園襲撃の情報が入って、両親が救援に行くことになったから来るのに付いてきたんだよ。」


「来てくれたのは嬉しいですが、こんな時に来たら危ないですよ!」


 コーデリアさんとシンシアさんがちょっと怒ってる?


「いやふたりが心配でさ……。」


「「……心配。」」


 なんか2人の怒りが無くなった?


 ふたりから地下シェルターでの話を聞いていたら。


『マスター! 学園の方に高速で移動する魔獣が一匹いますので気を付けて下さい!』


『えっ?』


【魔素通話】を聞いて直ぐに……


「ヤハリ、アイツハ、シッパイシタノカ! ワタシガ、カワリニココヲ、ホロボス。」


「なんだこいつ?」


 ラノベによく出てくる、犬の耳に体毛、顔に至るまで犬獣人って感じの女性がいた。


 そして魔獣に気がついた時には20メートルは有りそうな巨大な【ストーンボール】を投げてきていた。


「みんな! 魔獣だから逃げて!」


「「え?」」


(やばい、みんな魔獣に気づいていない!)


 コーデリアさんとシンシアさんの前に立ち、最大数の【魔導壁】を展開する。



 ドガガガガッ!



【魔導壁】を貫通して、威力は弱まって居たが直撃を受けて吹き飛ばされる。


「ガハッ…」



「レイさん!」

「レイくん!」


 危ない攻撃を受けたことにより【身代わりネックレス】と【重力カウンターの指輪】の【魔導具】が発動する。


「ナンダ、コノカラダノ、オモサハ。」


「くそっ、こんな殺す気のダメージを受けたのは初めてだな……。」


「オマエハ、サッキコウゲキヲ、フセイダヤツダナ!」


 魔獣は巨大な土の棒を片手に持ち、凄い速さで自分に突っ込んでくる。


 咄嗟に【魔導壁】を展開するが、魔獣の攻撃するスピードが速すぎて【魔導壁】がすぐに壊されていく、お父さん程ではないが実力差が有りすぎるのがよく分かる……。


『マスター、ソフィア様に魔獣の件を連絡したので間もなく到着するはずなので、それまで耐えてください。』


『それはありがたい、だけどそろそろ限界かも……。』


「ソロソロ、シネ。」


【魔導壁】の張り替えが間に合わないスピードで土の棒を振り回されて、全ての【魔導壁】が無くなり完全に無防備な所で、魔獣の攻撃をまともに受けてしまい意識を失ってしまった……。



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