第125話 チェスガン襲撃前夜

 冬休みも半分が過ぎたが、自分は家でのんびりしていた……。


 実家には自分の個人部屋が無いし寝室もフローラと一緒だから、フローラが寝た時位しか【魔導工房】には入れない。 しかしフローラは寝ているとき自分を抱き枕のようにして寝るので起きるまで脱出が出来ないのもあり、冬休み中は基本的には生産はせずに、シーラさんの食堂を手伝ったり、エレナと森へ行ったり、ブラットと模擬戦したりとしていた。



 今日はお父さんが帰って来る日だったので、家族4人で晩御飯を食べていたら、珍しくセシリアから【魔素通話】が来た。


『マスター、大変です! チェスガンに魔獣の群が向かっていると騎士団から連絡がありました。』


『えっ? それは大丈夫なの?』


『まだチェスガン周辺にいくつもの群れが待機しているみたいです。』


『魔獣が待機なんかするもの?』


『はい、何故か統率が取れているみたいで、見た目も人類と魔獣が混ざったみたいな新種らしいので騎士団は警戒しています。 数的に騎士団だけでは厳しいかもしれないみたいです。』


『セシリアショップのリリさんとネルさんは大丈夫?』


『はい、今はふたりとも隣にいます。』


『そしたらふたりはお店の地下に避難してもらって、地下に隠蔽の【魔導具】を作動させておいて、ふたりには絶対に外へ出ないように言っといて。』


『わかりました。 今から説明します。』


『自分も両親に話すよ。』


【魔素通話】とかで知り得た情報をどう両親に話すかな……。


「レイ、突然難しい顔して何かあったか?」


「説明が難しい話なんだけど……。 」


「何でも聞いてやるから言ってみろ。 俺にだけ言うのでも良いぞ。」


「いや、急ぎだから今言うね。 情報元は言えないけど、今 【チェスガン】は新種の魔獣に襲われる寸前なんだよ。」


「なに? その話は噂話レベルか?」


「いや、【チェスガン】にいる騎士団が住民に説明しているみたい。」


「王国騎士団の情報なら間違いないな……。」


「僕の話を信じるの?」


「ああ、それは信じるから大丈夫だ、何か言えないスキルが有るんだろう。 スキルは家族でも秘密にする事はあるから心配するな。」


「信じてくれて、ありがとう。」


「しかしあそこの街にいる騎士団は数が少ないから新種の対応は不安だな……。 これから俺が《チェスガン》に行って殲滅してくるかな。 今からで間に合えば良いが……。」


「念の為に私も行くわ。 新種の場合は回復魔法があった方が良いわ。」


「いや、しかし……。 フローラとレイを置いて、家を空けるのはな……。」


「その事なんだけど、僕も行きたいから連れて行って欲しいんだ。」


「ダメだ!」

「ダメよ!」


「同級生がまだ街にいるはずなんだ、どうしようもない時以外は戦わないから、お願い!」


「うむ……。 時間が無いから軽くレイの強さを試験するか。 それ次第で連れて行くかを考えるからソフィアはフローラを連れてシーラさんの所に行って。 預かって貰えないか話して来てくれ。 俺達も食堂に向かう。」


「わかったわ。 フローラ行くわよ。」


「はい、わかりました。」


 お母さんとフローラは直ぐに出て行った。


 そして自分達は木剣を持って庭に出る。


「それじゃあ、試験は俺の一撃を全力で耐えてみろ。 手加減はするが油断すると大怪我するからな。」


「わかったよ。」


 最近、自分は【魔導操作】が上がっており、【魔導壁】なら最大で50枚を常時展開出来るので守りに関しては自信があった。


 しかし、今回は全力を出す為に【魔導壁】に【雷属性付与】をしたものを10枚展開する。


「レイ、良い防壁を展開しているな。」


「いつでも良いよ。」


「よし、いくぞ。」


 お父さんが木剣を構えたと思ったら、【魔導壁】は全部破壊されて自分は吹き飛んでいた……。


「す、すごい……。」


(何をしたのかさえ解らなかった……。 ブラットが凄いと思っていたがお父さんは別次元の強さだ。 そして試験は不合格かもしれない……。)


「レイ、合格だ。 向こうの詳細は馬車の中で聞くから準備しろ。」


「えっ? 防御出来なかったのに、良いの?」


「ああ、大丈夫だ。 7歳…いやもう8歳か、それだけ出来れば十分だ。 俺の攻撃を防げるの人はほとんどいないからな。 レイが成長してるのがわかって嬉しいよ。」





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