第124話 冬休み 2年生 妹の祝福

 今年の冬休みは妹であるフローラが誕生祝いで祝福を貰う年なので家族全員が準備で忙しかった。


 自分はひとりで集会所の飾り付けをしていた。


 自分の町では誕生祝いの準備をするのは基本的にお祝いされる家族がやる事になっており、今年は2つの家族だけが誕生祝いの年なので割と大変だ……。


 お母さんに料理など任せられないし、自分が作っても問題が起こりそうなので、料理に関してはシーラさんの食堂に依頼した。


 今年にお祝いされる、もう1つの家族は今回の準備で顔は知っていたが初めて話をしていた。


 小さい町だが、話したこと無い人はかなり居るのだ。


 集会所に使う飾りは、自分が気合いを入れて準備をしたものであり、ひとりで飾り付けしている。


 色とりどりのチューリップ型【魔導具】でフローラの魔力に反応するとつぼみが開き、花が咲く演出をしている。 これは実際の花ではなく魔素を花型に固定するもので、クズ魔石が切れたら消える。


 ちなみにフローラが先に集会所に来るらしいから、後からくる子には開花したチューリップを見て貰う事になる。


 もう1人の祝福を受ける子は、人族の男の子らしい。


(あまり記憶に無い子なんだよな。)



 ☆



 誕生祝い当日の朝、自宅の居間にて家族でフローラを祝福していた。


「「フローラ、おめでとう!」」


「ありがとう。 私も遂にお兄様と一緒の職種持ちになれます……。」


 最近、フローラのブラコンがひどい気がする……。


「フローラならどんな職でも活躍出来そうだよね。」


「ありがとうございます。 お兄様の役に立てるように頑張ります!」


「いや、僕の役にとか考えなくて良いからね?」


「そんな! お兄様は私が嫌いになったのですか!?」


「嫌いな訳ないじゃないか。 フローラは大切な妹だよ?」


 それを聞いたフローラは満面の笑顔になる。


「ありがとうございます!」


(フローラは大丈夫か? この世界は妹との結婚が可能と聞いてから不安で仕方ない。)


 両親に視線を向けると、ふたりにソッと逸らされた。


(フローラの件に関して両親は助けてくれなそうだな……。)


「……フローラが何の職種になるか楽しみだね。」


「はい!」



 ☆


 自分達は集会所内でフローラとグロスくんを待っていた。


 そして先にフローラが入室してきた。


(よし、今が【魔導具】を起動させるタイミングだな。)


【魔導具】を起動させるとフローラの周りから、色とりどりのチューリップがウェーブをしながら咲き誇った。


 フローラは感動の余りか、泣き出した。


 フローラの様子を見て、成功を確信してニヤリとすると横からお父さんに頭をツツかれる。


「お前は何でもやりすぎだ……。 将来、フローラから逃げられなくても知らないぞ?」


「……。」


 フローラは泣きながら認証の指輪を貰ってから自分に抱きついてきた。


「お兄様! ありがとうございます!」


(……やり過ぎなのか?)



 続いてグロスくんも指輪を貰っていた。


 グロスくんは虎獣人族でフサフサした茶色い髪と濃いめの茶色い瞳をしていて、なんか一言で言うと生意気な感じがする……。


(フローラが余り好きでないのが分かるな。)




 ☆


「お兄様! 私の職種は【歌姫】になりました!」


「歌関係の職種もあるんだね。 初めて聞いたよ。」


「歌系の職種は支援職に入ることが多いかしら。 歌で回復したり、魅力、沈静化みたいに戦闘でも役に立つわ。」


 お母さんがフローラの頭を撫でながら説明してくれた。


「それは万能な感じするね。」


「ただ、歌わないとダメだから長時間、歌うのは難しいわ。 」


「そっか、喉の管理が大切だね。」


(夜にでも、喉が自然治癒する様な【魔導具】を作ってプレゼントしようかな。)




 そして次の日に、フローラへネックレスをプレゼントする。


【美声のネックレス】 喉の自然治癒効果、歌に魅了効果付与。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます