第103話 文化祭② 指導

 自分達のクラスでの文化祭の出し物はメイドカフェをやることが決まり、料理問題はブラットのお母さんであるシーラさんの協力によりも解決するだろう。


 他はエレナが行きつけの服屋に頼んでいるはずの特注メイド服が届けば物理的な準備は終わるかな。


 あとやらなくてはいけない事はホールメンバーへの接客指導と厨房内の調理指導だな……。


 あと2週間か、これに関しては授業後の放課後に毎日1時間位やれば客が多すぎない限り、大丈夫な気がするが最低限のレベルにはなってもらわなくてはいけないから厳しく行こう……。


 そして自分には今更ながら計画を多少変更してでも成功させたいと思うようになり、禁断の一手を指そうとおもう。


「なあ、ブルーノくん、準備は順調かな?。」


「突然なんだい? レイが変な感じになるとろくでもない目に合う気がするんだよね……。」


「人聞きが悪いな……。 しかし今回に関しては正しいかもしれないな。 ブルーノくん、僕達のクラスには女子が4人しかいないのだが、それに対して男は6人も居る訳だ……。。 そして僕達がやろうとしている事はなんだったかな?。」


「え? それはメイドカフェでしょ……」


「そう、メイドカフェだよ。 メインはメイドだよね?」


「そ、そうだね。 そんな事は確認しなくても分かってるよ?」


「まあ……、簡潔に言うとだね。 メイドカフェなのに接客する人数が足りないから予想では上手く回らないと思うんだ。 もっとぶっちゃけると温めて盛りつけ、皿洗いなどをするのに6人もいらないんだよ。」


「……で? 言っていることは解るけど、言いたいことが解らないんだけど……」


 話を黙って聞いているクラスメイト達も何が言いたいか解らないような顔をしているな……。 ひとり、エレナを除いて。


「幸いにしてブルーノくん。 君は男が惚れそうになるレベルの美形だ! きっとどんな服でも着こなせるだろう。」


 クラスメイト達が言いたい事を理解したのか、驚愕の顔をしている。


 そう、自分が考えたのはブルーノにメイド服を着せて化粧すれば超人気出る上にメイドが増えて良いんじゃね?って事だ。


 ブルーノの女装は知らない人なら絶対に女の子だと騙せる位に可愛くなる確信がある。


「やべえ、レイは天才だ!」

「……ブルーノくんのメイド服。(ゴクリ…)」

「女装姿を見てみたい……。」


「女装なんて絶対に嫌だよ…… 姉も見に来るしさ?」


「エレナ、メイド服の追加は可能か?」


「必ず間に合わせるにゃ!」


「よし、そう言う事だ。 ブルーノ、諦めてくれ。」


「無理無理! 姉に女装姿を見られたくないよ!」


 ネックになるのは姉か……。 それならそれで説得するまでだ。


 マーティナさんに聞こえないように、ブルーノとヒソヒソ話をする。


「(ブルーノ、女性は普段と違うギャップに弱いはずだ、そしてお前の女装姿はきっとお姉さんの心を掴むレベルの仕上がりになると確信している。 お姉さんの最高な笑顔が見たくないか?)」


「(えっ? 本当に? 姉の笑顔を見たい!)」


 あれ? ブルーノってこんなにちょろかったか?


「(絶対ではないが、確率はかなり高いはずだ。 何故なら女性騎士団の人は高確率でカッコいい女性の先輩に憧れる。 そしてブルーノならカッコいいメイドさんになれるはずだ。 これがギャップ効果だ!)」


 やばい、適当に話をし過ぎて何を言っているか自分でも解らなくなってきたぞ……。 こんなので説得出来る奴なんているかな?


「メイド服を着るよ……。」


「お、おう。 僕はブルーノがメイド服を着てくれると信じていたよ。」


 こうしてブルーノの女装メイドがメイドカフェに参戦する事が決定した。



 ☆


 ホールメンバーが決まったところで女性陣に飲食店の接客のお手伝い経験があるか聞いてみたけど、当然、誰も経験が無かった。 自分は接客業の経験はあっても、接客自体は得意ではないから上手く実践して教えられないと思う……。


 心構えやテクニカルな事はアドバイス出来るんだけどな……


 いろいろ悩んだ結果、男達の厨房内での作業などは自分が教えるとして、女性陣にはセシリアショップからリリさんを接客指導員として来てもらい、自分はアドバイザーという事にした。



 そしてメイドカフェでの決定したメニューは以下のものになった。


 ・オムライス

(チキンライスは前もって型に入れた状態で【ストレージ】に入れておき、注文が入ったら皿に温めたチキンライスを盛り付けて、事前に焼いといた薄焼き卵を保温しておき、後はチキンライスの上にのせるだけにする。)


 ・ナポリタン

(アルデンテ手前でナポリタンを作っておき、注文が入ったら暖め、お客さんに出すときにはちょうど良い面の硬さになるようにする。)


 ・ポテチ

(事前にスライスした芋を揚げておき、注文が入ったら好みのフレーバーを和えてから盛り付けて出すだけにする。)


 ・ホットドック

(ソーセージは事前にスチーマーの中で保温しておきを注文が入ったらパンを軽く温めてからソーセージを挟み、ケチャップやマスタードをかけるだけにする。)


 ・飲み物

(コーヒー、ジュース、お茶。など)


 多分、この位が子供に出来る調理の限界だと思う。 基本的には温めてから盛り付けるだけにしているから、包丁や火は危ないから【魔導レンジ】を使い、チンするだけにした。

 というか、低学年のメイドカフェにしてはクオリティが高すぎるんじゃないかと思い始めた。


「なあ、エレナ。」


「なんにゃ?」


「僕はなんか頑張りすぎた気がしてきたよ……。 低学年でこんなメイドカフェをやって大丈夫かな?」


「最初のメイドカフェを選択した時からやり過ぎにゃ。」


「えっ? そこの選択から?」 


「普通の7歳はやりたくても飲食系やらないにゃ。 他のクラスや今までのクラスは、ほとんどがみんなで書いた微笑ましいレベルの絵を展示したものとか、何を作ったか解らない粘土を展示したりしてるにゃ……。」


「エレナさ、それは早く言ってよ……。」


「そこは普通、自分で気が付くところにゃ。」


 確かにエレナに言われている通りに思えてきたが、今更止めることは出来ないところまで来ていた。


「エレナはたまに僕がやらかすの楽しみにしてるでしょ?。」


「レイと一緒だと日常すらハプニングだらけで楽しいにゃ。」


「……。」





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