第96話 職場見学⑨ 建設会社

 水族館の時間が終わり、その後は何もなく宿に戻った。


 晩飯の時にロナルド先生とカリーヌ先生の件をエレナに聞いていた。


「あれからカリーヌ先生をカフェに誘った人(笑)はカリーヌ先生がカフェに行った時には居なくて、ちょっと大変だったにゃ~。」


「……ちなみになにが大変だったの?」


「カフェで待って貰えなかったのは、『すぐに行けなかった今の職場が悪い!』と言いながら泣き崩れたにゃ……。」


「マジか……。」


(ちょっと罪悪感が出てくるな……。)


「まあ、そこにロナルド先生がカフェに来たにゃ。 そして何故かそのタイミングでアクセサリーをプレゼントしたにゃ。」


「……ロナルド先生は大丈夫だった?」


「私の情報通り?にロナルド先生は指輪をプレゼントしたにゃ。」


「……僕も指輪を勧めといてあれだけど、普通はあげないよね。」


「カリーヌ先生はその指輪を受け取り少し考えた後、『結婚しましょう!』と言いながら左の薬指にはめたにゃ……。」


「え……? なにそのカオスな急展開は。」


「そして、ロナルド先生は了承して、2人は結婚前提に付き合いだしたにゃ。」


「えぇぇ~~!」


 二人の付き合いはいろいろすっ飛ばした感じだった……。




 ☆


  《ガスデール》滞在3日目。


 今日は建設会社と商会に行く予定になっている。


 明日は朝から馬車で帰るから、お土産を買うなら商会にあるお土産コーナーらしい。



 そんな事より……。


「ロナルド先生! イチャイチャするなら帰ってからにしてください!」


「ホントだにゃ~。」


「変わりすぎて引くぜ……。」


「カリーヌ先生、うらや… しっかりしてください!」


「あ、ああ。 みんなすまん……。 ちょっと幸せすぎてな。」


「(バクハツシロ……)」


「え?」



 ☆


 自分がちょっと楽しみにしていた建設会社前に到着した。


 建設会社は12階建てのビルで、転生してから一番高い建物だった。


(耐震性とか大丈夫なのか? 前世では耐震の勉強もかなりしたから知識がある分、逆に不安になるんだよな……。)


 建設会社の案内には美人のお姉さんがしてくれた。


「こちらの建物では、建築設計、建築積算、土木設計、土木積算、製造ライン設計、都市環境、新素材開発、貴族専用、営業、人材育成、資材管理の11部門に分かれていて、工場などは別にあり、ここでは室内業務のみになります。」


「やべぇ、また何言ってるかわからないパターンだ……。」


「……。」


 早速、ブラット、アラン、シンシアさんの頭から煙が出そうだ。


「すいません! お姉さん質問があります!」


「なにかしら?」


「こんなに高い建物で耐震や荷重に耐えられるように構造計算されてるのですか? 柱が細い気がするんですが?」


「……最近の子供はここまで気にするのかしら?」


「すいません。 この生徒だけ特別だと思ってください。」


「そ、そうよね? ちなみに構造計算はされているわ、柱が細いのは重量軽減の魔石のおかげね。 耐震や明かり、水道、建物内ではいろいろな魔石が使われているわ。 その魔石等を一カ所で管理する部屋があって、詳細は言えないけど数名の魔法師が常に交代で魔力補充しているわ。」


(うわ~。 魔石や魔法師が勿体ない。 絶対に正確な構造計算が出来てないぞ……。)


「すごいんですね~。」


「このビルも王国では最先端ね。 大陸の中央では未知の技術があるって噂話もありますけどね。」


(イーストエンド地方より西にある中央か……。)


 建設会社を見て回ったが、前世に比べるとレベルがかなり低くて落胆した。


 王国の建設レベルには期待出来ないが、大陸中央にはいつか行ってみたいと思った。




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