第95話 職場見学⑧ ペンギン

 ロナルド先生とカリーヌ先生の出来事が終わり、残りの時間を水族館でコーデリアさんとシンシアさんの3人で見て回っている。


 水族館と呼ばれているから期待していたけど、半分は陸の動物だった。水族館は水の種族って意味らしい。


「レイくんは水族館に来るのは初めてですよね?」


「確かにそうだね。 でも本で良く魚や動物の図鑑を見てるから知ってるよ。」


「どおりで名前とかに詳しいんですね。」


(こっちの世界に生きてる生物は地球にいるのと似すぎてるんだよな……。 でも微妙にサイズとか形が違うけど。)


「流石、レイさん、なんでも、詳しいです。」


「あはは。 それにしても動物は良いとしても、魚は上からではなくて横からガラスごしに見たいよね……。」


「確かに、水槽みたいに横から見たいですね。」


 水圧に耐えられるガラスを作る技術がないのか、魚は池を見ている様な状態だった。建物に使われるガラスも透明度が低いから、技術不足っぽい。


「あとは動物や魚の名前や説明書もあると分かりやすいのにね。」


「そうですね。 私達はレイくんに教えてもらってるから楽しくて良いですけどね!」


「レイさん、居れば、説明書は、いらないかな。」


「他の人は見るペースが早くて損してる感じだね。」



 ☆


 自分の中での楽しみにしていた場所に来た。


「うぉぉ~!!」


「えっ?」

「っ!?」


「生ペンギンでけぇ~!」


 前世からペンギンは好きだったから、とても楽しみだったのだ。


 そして目の前には、見た目は皇帝ペンギンだけど全長2メートル位の巨大ペンギンが10匹も居た。


 前世での皇帝ペンギンは1.2メートル位、それに比べたらかなりデカいな。(ペンギンの全長は横にした時の長さ。)


(ヤバい。 魔法を見たときよりも驚きと感動がある……。)


「レイくん、どうしました?」

「レイさん、なにか、ありましたか?」


「いや、驚かしてごめんね。 あそこにいるペンギンを見て驚いちゃってね。」


「ペンギンってあのデカい動物ですよね?」


「以前、レイさんが、湖で着ていた、ダイバースーツのやつ?」


「あのときのダイバースーツは王様ペンギンがモデルだからちょっと似ているけど別のペンギンだね。」


「あのペンギンの歩き方がヨタヨタしていて可愛いですね。」


「陸でのあの可愛い歩きに、水中での格好いい泳ぎ、素晴らしい!」


「……なんかペンギンの話になると、レイくんは人格が変わる?」


「それは、私も、思いました……。」


「いや、かなり感情を抑えてるよ……?」


「「これで?」」


「仮にペンギン達と人類が戦争したら、ペンギン達に加勢してしまうかもしれない位には好きかもしれない。」



「(シンシア、私達の一番のライバルは、あのペンギン達かもしれません……。)」


「(うん……。 それ位、ペンギンへの、狂気を、含んでいる、気がしてきた。)」


「(打開策が全く思いつきません……。)」


「(共存?)」


「(………。)」



「2人で急にひそひそ話になってどうしたの?」


「「なんでも無いです!」」



 そんな感じで水族館の自由時間が終わったのでした。






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