第89話 職場見学② お風呂

 1日かけてやっと産業都市 《ガスデール》に到着した。


 最高峰の高級馬車でもお尻は流石に痛くなった。

 低反発のクッションとか欲しいな……。

 あの低反発の原理がわかっていれば作るんだけど、流石にそんな知識は無かった。


 この世界に転生してからの1番大きい街が 《チェスガン》だったから 《ガスデール》の想像以上な街の大きさにビックリしたのだった。

 街の広さは 《チェスガン》の20倍近くあるらしい。

 王国1の産業都市だから当然かもしれない。


「よしお前ら、今日は疲れただろうから宿に直行するからな。」


「「はーい。」」


 馬車の停留所から徒歩で15分位歩いたら宿屋が見えてきた。

 宿屋は3階建てのビジネスホテルみたいな外見だった……。 いや、むしろビジネスホテルだな。


 流石に全員が泊まれるところは確保出来なかったらしくてクラス毎に宿が分かれていたから他のクラスがどんな宿に泊まっているかは分からなかった。


「それじゃあ部屋に荷物を置いたらまずは風呂に行くぞ。 男達は俺と一緒に入るからな、風呂場の入り口に集合だ。 女子達はカリーヌ先生にお願いします!」


「わかりました。 女子は私と一緒に部屋へ行きましょう~。」


「「はーい!」」


 カリーヌ先生は去年の遠足時、自分達と一緒に逃げてくれた巨乳の魔法師だ。

 オレンジ色の長い髪と瞳を持ち、珍しい熱属性である。

 本来なら魔狼位は余裕らしいが、カリーヌ先生が使える魔法は熱波など広範囲魔法ばかりで集団戦が苦手らしい。



 ☆


 (コーデリア視点になります。)


 女子風呂にて。


「先生、胸を大きくするアドバイスをください!」


「私も、知りたい、です!」


 カリーヌ先生はかなり胸が大きいのは服の上からも分かっていたけど、お風呂に入ると絶望的な戦力差を感じさせる大きさがあった。


「え? コーデリアさんとシンシアさんは急にどうしたの?」


「レイが巨乳好きだと勘違いしてるにゃ~。」


「だってレイくんはいつも胸の大きな人を見るんですよ?」


「しかも、にやにや、しています!」


「……それは男子はほとんどみんな見るわよ? 大人でもみんなエロい目で見るだけでその後の発展が無いし……。(ブツブツ……)」


「コーデリア、そもそもエルフ族は巨乳はいるにゃ?」


「え?」

「あっ!」


「「いない!」」


 私は雷に打たれた様なショックを受けた。

 そう言えば村の人達に巨乳は居ない……。

 村では話題にすらならなかったから学園に来るまで気にもしていなかったのだ。


「何か申し訳ない質問をしたにゃ……。」


「そういえば、マーティナさんはブルーノくんと、どうなったんですか?」


「え、いきなり私に振るの!?」


「この前、街で2人が並んで歩いてるのを見ましたよ!」


「いや、それはたぶん一緒に騎士団に行ってるだけで……。」


「それはデートですか!?」


「ち、違う! ブルーノくんのお姉さんに会いに行ったんだよ……」


「もう、お姉さん、公認の、仲?」


「ええっ~~~!」


 まさかマーティナさんがそんなに進んでるなんて……


「な、7歳に負けてる……?」


 カリーヌ先生…… お風呂の温度が熱いです……


「ち、違いますよ!」




 ☆


(レイ視点に戻ります。)


 男子風呂にて。


「ロナルド先生。 聞きたいことがあります。」


「ん? なんだ?」


「先生ってもう30歳位ですよね?」


「あ、ああ。 そうだが……。 それでなんだ?」


「見た目も悪くないのに結婚しないのかな?と思って。」


「……生徒に話すことでもないが、ずっと好きな人は居るんだよ。」


「ええっ。 それは貴族とかで結婚が出来ないとかですか?」


「いや、振られるのが怖くてな……。」


(学生かよっ!)


「……それで、相手はどんな人なんですか?」 


「それは……。 流石に生徒には言えないな……。」


「え? いかがわしいお店の人?」


「違うわ! なんで子供がそんな知識あるんだよ……。」


「まあ、無理に聞くこともないか。 そうだ、ブルーノはマーティナさんとどうなってるんだ?」


「マーティナさん? 普通だよ?」


 そんな返答を聞いてクライブが話してくる。


「レイ、ブルーノはシスコンだからそういう話は無理だこん。」


「……姉が好きなのか?」


「そうなるこん……。」


「……僕達の年だと大抵は年上が好きだよね? 例えばカリーヌ先生みたいな巨乳美人とかさ。」


「か、カリーヌ先生だと……!」


「「え?」」


「いや、何でもない……。」




「(クライブ、ロナルド先生はカリーヌ先生で決まりだろ)」


「(今の反応は間違いないな……。)」


「(ここは僕達で先生達を助けるぞ!)」


「(おう!)」





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