第62話 遠足③

 キャンプ場でお昼飯を食べ終わり、皿などを片付けをしているとロナルド先生とエレナが叫んだ。


「あっちから魔獣の気配がするにゃ!。」


「魔獣の気配だ! みんな簡単に荷物をまとめて逃げるぞ!」



 みんな慌てて先生達の指示を聞きながら逃げる準備をする。


 そうしたら凶暴な雰囲気の狼が数匹見えてきた。


「魔狼どもだ! 数が多いな!」


「俺と他2人の先生は足止めだ。 魔狼位なら子供達さえ逃げてくれれば問題無く倒せる。」


「あなた達は私とゆっくり逃げるわよ。 急に逃げると狙われて危ないからね。」


 先生達が細かく逃げる指示をしてくれる。


 戦ってくれてる先生達は担任のロナルド先生と他は剣士と魔法師の3人。

 問題なく魔狼達の攻撃を捌いては倒して注意を集めている。


「もう少し先生達に注意が向いたら逃げるわよ。 バラバラになって逃げたら危ないから先生達に着いてきてね。」


 逃げる側の先生はシーフっぽい軽装の男性と行きに話した巨乳の魔法師の2人。


「結婚もしてないのに死ねないわね……。」


「先生……。 それダメなフラグです……。」


 ……


「合図をしたら逃げるぞ。 いけ……。」


 みんな気付かれないように逃げ始めた。



 ☆



 逃げ始めて1時間位が経過した時にコーデリアさんが少し遅れ始める。


(たぶん体力的なものと緊張から来る疲れかな……。 自分も結構体力的に厳しくなってきたな。)


「ある程度魔狼からは離れただろうから、警戒しながら少し休むぞ……。」


 そう思っていたら軽装の先生が休憩の指示を出してくれる。 

 そして休憩タイミングで自分は先生に提案する。


「先生、ポーション類を持ち込んでいるのですが、みんなに配っても良いですか?」


「ん? 用意がいいな。 何があるんだ?」


「こんなのがあります。」


【回復ポーション小】20本

【強化ポーション小】10本

【解毒ポーション小】10本


 を見せる。


(他のはとりあえず良いだろう。 危なくなれば躊躇わず中級ポーションを使うけど、子供がそんなに持ち歩いていたら怪しいからな……。)


「いっぱいあるな……。 よし、これは後で先生が全部買い取るから生徒達に配るぞ。」


【回復ポーション小】2本

【強化ポーション小】1本

【解毒ポーション小】1本


 をみんなに配る。


「襲われて危なくなったら迷わず強化ポーションを使うんだ、効果は10分だけだが多少は違う。」



 30分休憩を取り、また下山を再開する……。


「よし、いくぞ。 あと半分も過ぎれば山は終わるぞ。」



 無事に終われば良いなと思いながら下山していると、すんなりとはいかなかった。


「囲まれているな……。 このまま逃げると追い付かれて後ろから襲われそうだから俺が退治しながら後退する。」


「私が前面の敵を薙払うから着いて来てね。」


「横からの攻撃は各自で警戒するように。」



 そして魔狼と先生2人+生徒10名の戦いが始まった。


 横から来る魔狼の攻撃はブラット、アラン、ブルーノで防ぎ、エレナ、マーティナさん、バリーが攻撃とサポートをする。

 自分、コーデリアさん、シンシアさんが魔法で近寄る魔狼を牽制をして進んだ。


 そしてアランの所で一匹の魔狼に抜かれてしまう。


「ヤバい! 一匹そっちに行った!」


 ちょうどマーティナさんが反対側のサポートをしていて見えていなかった。


「マーティナさん危ない!」


(このタイミングでは【シールド】も間に合わない!)


 マーティナさんに魔狼の爪が襲いかかろうとした時、ブルーノがマーティナさんを抱きつくように庇う。


「ぐあっ!」

「きゃあぁ!」


 ブルーノの背中にバッサリ爪が食い込む。


「くそっ!」


 自分は至近距離で魔狼にチャージ済みの魔導圧縮銃をぶっ放して倒す。


 そして急いでブルーノに駆け寄るが傷口がかなりひどい事になっていた。


「コーデリアさん! ブルーノの回復は出来ますか?」


「やってみますが、ここまでひどいと私の精霊魔法では回復が間に合わないです!」


 カバンから残りのポーションを全部出す。


「回復ポーションの中級です! これも使ってください。」


「っ! わかりました。 やってみます。」


 その後も魔狼が襲って来るのを捌き続けるがブルーノは一向に良くならない。


「なんとか回復ポーションの中級で傷口は安定してますが早く専門の回復師にみせないと危ないです。」



(くそっ、こんな時に全力の雷属性の魔導弾が使えれば倒せるけど、周りにいるクラスメイト達まで巻き込んでしまうな……。 いや、周りに人が居なければ大丈夫か? 遠足前に遊び半分で作った魔導具が役に立つかもしれない……。 しかし無事でも後で絶対怒られるな……。)


 カバンに手を入れ、【ストレージ】から【挑発し過ぎる仮面】を取り出す。


【挑発し過ぎる仮面】

 仮面を被る姿で敵対心を急激に増加させる。

(敵対心の無い人には効かない。)


(悪ふざけで作ったやつなんだけどなぁ……。)



「先生! 僕が総ての魔狼を引き連れて逃げます! なのでブルーノを絶対助けてください!」


「はぁ? こんな時に馬鹿なこと言うな! そんな事を生徒にさせられる訳ないだろ!」


「時間がありません! 説教は後で受けます!」


【挑発し過ぎる仮面】をかぶり、みんなに薄い【シールド】をはる。 そして魔狼に弱めの【魔導弾】を広範囲にターゲットして制御無しで大量にバラまく。 


 そうすることで自分に全魔狼の敵対心が乗る。


 あとは【脱兎のブーツ】で誰も居ないところに逃げて。纏めて殲滅だ。



 ……上手くいくかな?



 そしてコーデリアさんとシンシアさんの悲鳴を聞きながら、魔狼トレインをして逃げた。


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