第55話 魔導科学

【魔導技師】の練度が3.1を超えた事で新しいスキルを覚えた。



【魔導科学を取得しました。】


【魔導工房が拡張されました。】



 いつものようにアクセサリー制作をしていたら【魔導技師】の練度が上がったみたいだ。


【魔導科学】……魔石と各種素材を合成する。

 合成に関する作業効率が上昇。

 合成に関連するスキル取得率が上昇。


 なんか【魔導科学】の説明を見ると【錬金術】のスキルみたいだった……。


 スキルを取得した時の知識もポーションの作り方とか思い浮かぶ。


 これは【錬金術】という認識で良いかもしれない。



 そして、いつものように【魔導工房】に行ってみると、部屋が増えていたので新しい部屋に入ってみる。


 ……うん、これは。




 完全に科学の実験室が広がっていた。


 ファンタジー感はどうした?


 鉄鋼関係の金属加工機械室もそうだけど、【魔導工房】に関してはファンタジー感が一切ないんだよな……。


 そして一番気になるのが部屋の真ん中に液晶画面と電子レンジみたいなの、そのとなりにゴミ箱?がある。


 液晶画面にタッチとかいてあったので、画面を押してみたら、それはタッチパネルだった。


 画面には機械の使用方法が書かれており、それによるとゴミ箱?みたいなのは素材投入箱で、電子レンジ?みたいなのは合成後の完成品が出てくるみたいだ。


 パッと思い付いたのがスマホゲームの合成シーンだった。


 作りたいものを選択して魔石と素材を投入。

 あとは決定ボタンで出来上がるみたいで、たまに高品質化するって本当にゲームだな……。


 そして現在、作れるのは初期ポーション各種とある。


【回復ポーション小】


【強化ポーション小】


【解毒ポーション小】


【安眠ポーション小】


【鎮静化ポーション小】


 なんか微妙だな。


 簡単に作れるのは良いけど……。


 露店で売るには良いのかな?


 ああ、そうだ、変装が出来るからこの際、店を開くか?


 ……なんかそれもありな気がしてきた。



 スイーツ屋兼雑貨屋を開店して自分は影のオーナーをするのも面白いかもしれない、町外れの物件なら安いかも。


 土地と材料さえあれば、後は自分のスキルで作れそうな気がする。



 ☆


 そして、お楽しみの転職選択の時間です!




 自分はワクワクしながら、転職選択画面を選ぶ。


今度はどんな職種にしようかなぁ。


あれ?




 ※職種を増やすのに必要な魂定着値が足りていません。



 まじかよ……魂定着値が足りないってどういうことだ?


 しかし、そんな条件あったのか……。




ーーーーーーーーーーーーーーー


 名前・レイ(6歳)

 状態・良好

 属性・雷

 職種・魔導技師3.1 魔導剣士4.1

 種族・人族


 パッシブ・人見知り、建築、土木、料理

      素材の極み、鍛冶、パラレル思考

      共感覚、魔導科学


 アクティブ・魔導操作、鑑定、クリーン、ストレージ

       武器強化、雷属性付与

       魔導工房、魔導具作成、魔導弾

       魔導手、魔導壁、魔導剣


 固有スキル・ジョブホッパー

       鑑定の魔眼


 装備・神木の小太刀

    印象阻害の銀ブレスレット

    変装ペンダント

    身代わりネックレス

    重力カウンターの指輪

    雷属性擬態の指輪



 ーーーーーーーーーーーーーーー





自分は魂定着値という謎のワードについて考えていた……


そもそも魂ってなんだ?というのを考え始めると永遠に結論が出なさそうなので、魂はあるという前提で考えようと思う。


まあ、前世の記憶を引き継ぎながら異世界に転生しているから、魂があるのだろうとも思っていた。


ってか、魂定着値ってそのまま考えるとまだ魂が何かに定着しきっていないという事だろうか?


この場合、魂が定着するとしたら身体だよな……


まだ年齢的に魂が肉体に定着しきっていないのだろうか。


そんな感じで自分なりに考えていたが、一向に結論は出なかった。


「そうだ、図書館に行ったら魂について何か分かるかな?」


前世の図書館で魂について調べにいく人はほとんどいないだろうが、ここは異世界。


もしかしたら、図書館に魂関連の書籍などがあるかもしれない。


時間的にはまだ図書館はやっているな……





「あっ、レイくん……?」


自分は急いで学園内の図書館に向かったら、図書館内でシンシアさんと会った。


「シンシアさんってよく図書館に来てるの?」


「はい、最近は、寮の門限の、ギリギリまでは、図書館にいます」


シンシアさんとは朝のトレーニングで毎日の様に一緒だけど、あまり雑談はせずに真剣にトレーニングをしたら、すぐに授業を受けるために学園に向かわないといけない感じだから、シンシアさんやコーデリアさんが放課後に何をしているのかは知らなかった。


シンシアさんの読んでいる本を見ると地図や絵がいくつも書いてある本みたいだった。


「何を読んでるの?」


「あっ、これは『冒険家エリックの異界探索記』です」


「異界探索記?」


「これは、冒険家エリックが、世界各地にある、異界って呼ばれる、遺跡探索を、まとめた、本なんです」


「なるほど、本当の異界って訳ではないんだね……シンシアさんは遺跡探索は好きだね。」


シンシアさんは将来、超古代文明の遺跡をまわりたいといていたからな。


「うん、この異界って遺跡は、私の調べたい、超古代文明の遺跡、と似てるから、気になる」


「へぇ、呼び方がいろいろあるかもしれないのか……」


「それで、レイくんは、何で図書館に?」


おっと、そうだった。


シンシアさんと話していたら、本来の目的を忘れるところだったよ。


「僕は調べたいことがあってね」


「調べたいこと?」


「そう、魂って言葉に関連する書籍を探しに来たんだよ。まあ、魂ってもの自体がよく分かってないから、なんて説明すれば……」


説明しながら、シンシアさんに魂なんて言っても分からないだろうと思い直し、なんて説明すれば良いかなと考えていたら……


「魂なら知ってるよ」


「ん? シンシアさん分かるの?」


「えっと、魂は経験した、全てを世界と、繋がる為に必要なあーかい……えっとなんだっけ? お父さんから、聞かされていたけど、忘れちゃった……」


「えっ、シンシアさんのお父さんって何をしてる人なの?」


もしかして、学者か何かなのかな?


「ううん、お父さんは族長」


「ああ、エルフ族の族長なのか……ってコーデリアさんの親も族長じゃなかった?」


「うん、族長は部族ごとにいるから、いっぱいいるよ。」


「へぇ、そうなんだ」


その後、自分は図書館で魂関連の書籍を探したが、全く無かった。


シンシアさんの話だとシンシアさんの親は詳しいみたいだけど、そのためだけにエルフ族の里へ行くわけにもいかないなと思った。

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