第50話 シンシア

 いつものロナルド先生の授業が終わり、今日は【魔導】の練習をしたかったので、1人で修練所に向かおうと思っていたらコーデリアさんとシンシアさんに話しかけられた。


 そう言えば、シンシアさんとはあまり話した事が無かったな……。


「レイくん。 ちょっとお願いがあるんだけど、話だけでも良いですか?」


「大丈夫だよ。 予定は1人で修練所に行くだけだったしね。」


「実は、隣にいるシンシアの事で相談があるんです。」


「どんな相談? 僕に解決出来る事なのかな。」


「シンシアは魔力量が凄く多くて、そのせいで昔から【魔力操作】が苦手なんです。 それで、未だに【ボール】も展開する事が出来ないんです。」


「なるほど。」


「この前のレイとエレナさんの模擬戦を見て、レイくんは魔法が得意そうだからアドバイスを貰えたらなって思いまして。」


「ロナルド先生には聞いた?」


「聞いたけどダメでした。」


 ロナルド先生は剣士タイプだからかな? 自分の【魔眼】で見たら少しはアドバイス出来るかもしれないな……。


「僕で役に立つかは解らないけど、見るのは大丈夫だよ。 これから一緒に行く?」


「「はい、おねがいします!」」




 ☆



 修練所に向かう時に気になっていた事を聞いてみる。


「そう言えば、コーデリアさんとシンシアさんはよく一緒に居るけど同じ出身地なの?」


「うん。 シンシアとは幼なじみで、一緒に学園に来ました。」


「はい……。 ちょっと、【人見知り】で、コーデリアが、居てくれて、助かってます。」


「おお! 【人見知り】! シンシアさんとは仲間ですね~」


「レイくんは【人見知り】じゃないですよ?」


「いや、【人見知り】スキルがあるので間違いないよ。」


「わたしは、スキル無いけど、レイさんより【人見知り】、だと思います。」


「わたしもそう思いますが不思議ですね?」


「……確かに言われたらそうだね。」


 スキルがあるから【人見知り】だと思っていたけど、前世に比べると全然【人見知り】じゃないよな? 


 ……どういう事だろう。




 ☆



 修練所に着いて、的の準備をする。


「まずは【ボール】の【魔力操作】がどれ位出来るかを見せてもらっても良いですか?」


「わかりました、やってみます。」


 【魔眼】でシンシアさんが【魔力】を込めているのをしばらく見ていたら、どんどんでかくなっていき、シンシアさんの手にはシンシアさんの身長位の大きな【魔力】が出来ていた!


 オオィ! 【魔力】込めすぎだよ!


「シンシアさん! ストップ!ストップ!」


 危ないな、この子。 あの【魔力】量だと下手したら修練所が吹き飛んでたぞ……。


「シンシアさんが込めている【魔力】が多すぎるので、それの10分の1位に出来るかな?」


「え? そんなに、少なくても、良いんですか?」


「ちなみにシンシアさんは今、どの位の【魔力】の塊が出来ているか分かる?」


「て、手の大きさ、位かな……?」


「……原因はそれだね。 ちなみに今、シンシアさんの身長位の【魔力】の塊があるよ。」


「「えええ~。」」



「そしたら、僕は【魔眼】で【魔力】が見えるから、【魔力】の大きさを教えていくから、シンシアさんは感覚のズレを直していってよ。」


「おねがいします。」




 ☆



 次の日。


「1日で【ボール】を覚えられました!」


「レイくん凄い……。」


「いや、シンシアさんには元々才能があるんだよ。 属性付与もすぐに出来るかもね。」


「わかりました。 がんばって、みます!」






 レイは天然の魔力暴発エルフの才能を開花させたのだった……。


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