第47話 週末の帰省

 週末になり、学園が休みになるので自分達はいつもの様に3人でモロットへ帰省していた。

 そして、自分は町の入口で2人と別れ、自分は真っ直ぐ自宅に向かう。


「お母さん、フローラ、ただいま!」


「おかえりなさい~」

「にぃにぃ、おかえり~」


フローラが抱きついてきたので、頭をなでなでする。


「相変わらずフローラは可愛いな~」


「にぃにぃ~、にはっ~」


 はぁ……妹はいつ見ても癒されるな……。


「フローラは将来、お母さんみたいな美人になりそうだな!」


フローラはまだ小さいながら顔立ちはハッキリしており、目はくりっとした二重で鼻の形もまるでモデルみたいだ……今からでもフローラは将来美人になるのが確定しているかのような感覚になる位パーツが完璧に整っていた。


「まぁ、レイは良いこと言うわね~。お母さんをそんなにおだててもなにも出ないわよ?」


「いや、本心からそう思ってるから……」


「そう、それは嬉しいわね。フローラもお兄さんから美人って言われて嬉しいわね~?」


「びじん~」


それから1時間ほどフローラは自分にくっ付いて離れなかったので、フローラ成分堪能する事になった。


 ☆


 お昼ご飯を食べながら、学校で話にあがったお父さんの事をお母さんに聞いてみる。


「そういえば同級生に聞いたんだけどさ、お父さんが【ソウルイーター】って呼ばれてるらしいけど……お父さんは結構有名な冒険者なの?」


お母さんにお父さんのことを聞くと、ちょっと言いにくそうな表情になる。


あっ、これは自分に知られたくなかった情報なのかな……


「そうね……王国所属の冒険者の中じゃあ、かなり上位の冒険者パーティーだったから有名ではあったわね。 だけどレオンはあまりその【ソウルイーター】って呼び名は好きじゃないから、本人の前では言わない方が良いかもね……。」


「そうなんだ?」


やっぱりお父さんは好きで名乗っていたわけではないのか……まあ、そうだよね。


【ソウルイータ】なんて自分で名乗っていたらヤバい人だもんね。


「今は危ない事はしてないから昔ほどの知名度は無いかもしれないけど……まだ知ってる人はいっぱい居るのかもね」


「そう言えばお母さんも有名なの? 同級生がお母さんのファンだって言ってたよ。」


ついでにコーデリアさんがお母さんのファンだったという件も伝えておこう。


「あら、私のファンだなんて嬉しいわね……男の子かしら?」


「いや、水属性の【精霊使い】で女の子だよ。 水属性の回復を使うから、それでお母さんのファンになったのかもしれないね。」


 同じ水属性だし、やっぱり有名人なら目標になるのかな。


「レイと同じ年齢で【回復魔法】専門の【職種】でも無いのに回復が出来るのは優秀かもしれないわね……私の場合は【回復魔法】専門だけど、それにしても【精霊使い】ね……【精霊】という名前の付く【職種】は聞いたこと無いわね」


 自分の周りには才能の塊しかいないのかな?


「そっか。コーデリアさんは凄かったんだ。お母さんを見てるからあまり凄さが実感出来ないかな……。」


「今度、その子が良ければ家に呼んでも良いわよ? ちょうど部屋も空いてるしね。」


「わかった。聞いてみるよ。」


 学校に着く頃には、お母さんがコーデリアさんを家に招待していた件をすっかり忘れていて、後日に少し問題が起きるのだった……。



 ☆



 晩御飯を食べ終わった後、最近覚えた【パラレル思考】の練習を兼ねて、30本の【ハンド】でフローラの全身を掴み、疑似飛行させて遊んでいた。


「ほら~、フローラ飛んでるみたいだろ~」


「きゃははは~、にぃにぃ~」


「楽しいか?」


「にぃにぃ~!」


フローラが楽しそうで【パラレル思考】も戦闘以外にも使えて万能スキルだなと実感していた。



【魔導剣士が4.1になった事により、スキルが進化した。】

【ボール、サンダーボールが魔導弾に進化しました。】

【ハンド、ウィップが魔導手に進化しました。】

【シールド、サンダーシールドが魔導壁に進化しました。】

【ブレード、サンダーブレードが魔導剣に進化しました。】

【ボックスが魔導操作に統合されました。】


「おおう、びっくりした!」


 突然、脳内にアナウンスがいくつも流れて来たのでビックリしてしまった。 


「にぃにぃ?」


「いや、ちょっとビックリする事があっただけで大丈夫だよ。」


 アナウンスの内容を確認すると、スキルが上位の【魔導】関係に進化したのかな?


 新しいスキルの使い方は自然と脳内に流れてきたが、【雷属性付与】と同じで属性付与を付けなければ透明なままか。

 ふむ……完全に上位互換だな。


 そう言えば、未だに雷属性以外の属性付与が使える気がしないんだよな……なんでだろう。

 まだ練度が足りないのかな?


 そんなことを考えながらフローラを疑似飛行させて楽しませていた。



ーーーーーーーーーーーーーーー


 名前・レイ(6歳)

 状態・良好

 属性・雷

 職種・魔導技師2.3 魔導剣士4.1

 種族・人族


 パッシブ・人見知り、建築、土木、料理

      素材の極み、鍛冶、パラレル思考

      共感覚


 アクティブ・魔導操作、鑑定、クリーン、ストレージ

       武器強化、雷属性付与

       魔導工房、魔導具作成、魔導弾

       魔導手、魔導壁、魔導剣


 固有スキル・ジョブホッパー

       鑑定の魔眼


 装備・神木の小太刀

    印象阻害の銀ブレスレット

    変装ペンダント

    身代わりネックレス

    重力カウンターの指輪

    雷属性擬態の指輪



 ーーーーーーーーーーーーーーー

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る