第44話 鍛冶スキル?

 最近、発明?に目覚めた為、【魔導具】ばかり作っていたら【魔導技師】の練度が2.1を超えた事で、新しいスキルを覚えていた。



【鍛冶を取得しました。】


【魔導工房が拡張されました。】


 おお! 【職種】の練度により、知識もない【鍛冶】スキルを取得する事も出来るんだな。



 【鍛冶】スキルを取得する事で、前世でふわっとした感じで知っていた【鍛冶】に関する知識が明確になってくる。


 しかし、知識は入ってくるけど、実際には経験しないと無理な気がする……。 


 こういう経験が無いとスキルがあっても使えないのは、凄く不便だと思ったけど、当たり前と言えば当たり前だ。 前世でもネットで知識は得られても、何かのプロになれる訳ではないからな。 ゲームみたいにスキルを覚えたら、いきなりプロみたいに作業が出来る方がおかしいのだ。 きっと修練により覚えたスキルは直ぐに使えるけど、今回みたいに知識だけ取得しても経験を積まないとダメなのだろう。


 前世でも最新の工業機械を導入しても、ボタンのみの完全な自動化でない限りは、ある程度の経験がいる。


「鍛冶屋に弟子入りしたいけど、子供が入れる所ではないから当分無理かな。 ブラットのオヤジさんの鍛冶場の雰囲気も超真剣だったし。 成人してから考えようかな。」


 まずは【魔導工房】の拡張を確認するかな。


 早速【魔導工房】に入ってみると、いつもの作業部屋に見たことの無いドアが増えていた……。


 拡張って単純に広くなるだけでは無いって事かな?


 新しく出来たドアを開けて見ると、そこはかなり広い部屋があり、20畳位はありそうだった。 そして、中には金属加工に関する設備が沢山あった。


 旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、研削盤、歯切り盤 など……。


 【鍛冶】ではなく、前世で見慣れた町工場の金属加工機械達だった。


 前世での父親が鉄鋼所の経営者をしていた事から、夏休みや学校が暇な期間は親の手伝いをさせられたりして育ち、中学、高校になったら、社員のおじさん達に機械の使い方を教わりながら黒歴史的なアイテムを作っていた。

 だから、子供の時から機械には馴染みあるけど…。




 残念な事に馴染みのある機械達にはファンタジー感が全く無かった……。


 


 こういう事は気にしたら負けなのかな?。




 しかし、この機械達はアクセサリー作りとかには、最適でかなり完成度の高い装飾などが出来る。 何せ前世では世界に通用する町工場製品を作っていた機械達だからだ。


 アクセサリーが簡単に作れるようになったから、当たりではあるのかな……。 そのうち【魔導技師】の練度が上がれば【鍛冶場】が拡張されるだろう。




 ☆



 試しに新しいアクセサリーを作ってみた。


 今まで手作業で切断や、削ったり、曲げたりと苦戦していたことが、機械によりガシャコガシャコという音と共にどんどん作成出来ていった。 


 日本の科学技術の凄さを異世界で実感するとは思わなかったな……。



 【変装ペンダント】 イメージした容姿に変装する事が出来る。


 魔石には闇属性の【幻影】を使い、今まで出来なかったチェーンを作り、魔石を嵌める台座も簡単に出来た。


 原価は【クズ魔石】と金属だけだから2000コルトもかかっていない。


 【変装ペンダント】の効果に関しては顔の変装は出来たけど、服までは変装出来なかった。

 まあ、実際は出来たけど服にシワとかが無いから、違和感が凄くて実用には耐えられない感じだった。


 もしかしたらイメージが足りないからかもしれない。




 ☆



 学園の教室にて。


「最近、レイくんは学校が終わったらすぐに帰ってしまいますが何してるのですか?」


 直ぐに寮へ帰って【魔導工房】にでも籠もろうかなと思っていたら、コーデリアさんに話しかけられた。


「ん~最近は趣味でアクセサリーを作ったり、露店を見て回ったりしているかな」


「レイくんはアクセサリーを作れるんですか? 今度、作った物を見てみたいです。」


「コーデリアさんもやっぱりアクセサリーに興味があるの?」


自分やブラットなどはあまりアクセサリーに興味がないが、エレナは昔から同じアクセサリーを付けていたりするし、他のアクセサリーにも興味があるみたいだ、コーデリアさんも同じ女子としてアクセサリーに興味があるのかもしれない。


「はい、エルフの里では金属製のアクセサリーはほとんど無くて、木の実などを使ったアクセサリーばかりでしたので金属製のアクセサリーには興味があります」


「ああ、なるほど……木のアクセサリーか。」


木の実を使ったアクセサリーを味わいがあって良いかもしれないな……それに木の方が加工しやすそうだ。


「レイくんはどんなアクセサリーを作っているのですか?」


自分はコーデリアさんに最近作ったアクセサリーの説明をする。

するとコーデリアさんは目をキラキラさせながら話を聞いていた。

もしかするとコーデリアさんはアクセサリーが欲しいのかな?


「良かったら、今度コーデリアさんの為にアクセサリーを作ってこようか?」


自分はアクセサリー作りの練習にもなるから、コーデリアさんにアクセサリーを作ってこようか?と提案してみる。


「本当ですか! 是非、お願いしたいです!」


 コーデリアさんは目をキラキラさせながら、自分の手を握り顔を近づけてきた。

 あと10センチ位でぶつかりそうな距離だった。


 コーデリアさんは幼女の容姿だけど、もの凄い可愛い。 そんな可愛いコーデリアに顔を近づけられたらドキドキしてしまう。


 自分は決してロリコンだからとかではないし、可愛いからドキドキしてしまうだけで恋愛などではない……。 


 しかし、もし恋愛なら自分は気がつかなかっただけで、実はロリコンなのかもしれないな……。


あっ、そうだ。


聞いておかないといけないことがあった。


「コーデリアさんはどんなアクセサリーが良いですか?」


「ブレスレットとか出来ますか?」


「他には希望はある?」


「えっと、そうですね……」


コーデリアさんからいろいろアイデアをもらい、メモを取っていく。

 これなら作れそうだな。


「それじゃあ今度ブレスレットを作ってくるよ。」


「ありがとうございます。」


コーデリアさんの笑顔を見るために頑張ってアクセサリーを作ろうかな~。




「レイ、コーデリアにブレスレットあげて大丈夫にゃ?」


近くでコーデリアさんとのやりとりを見ていたエレナが、心配そうに話しかけてくる。 ブレスレットを作る資金の話をしているのかな? エレナは少ないお小遣いから捻出すると思っているのかもしれない。


「多分、製作費は3000コルトもあれば作れるから大丈夫だよ。 練習にもなるしね。」


 【魔導技師】の練度を上げるにはひたすら作ることみたいだし、一石二鳥である。


「お金の問題じゃないにゃ……。」


「……?」




 ☆



 数日後……。



コーデリアさんの為に作成した渾身のブレスレットは……。


【水精霊のブレスレット】 水精霊との親和性が各段に向上するブレスレット。


 青白い金属に自分なりの水精霊のイメージを彫刻したブレスレットで、子供でも邪魔にならないサイズにしてあり、水属性の極小魔石をアクセントに何個かはめ込まれてある。


 水の【精霊使い】が装備をすると、親和性が向上して効果が5倍になるみたいだ。 未だに精霊を見たことがないから、親和性と言われても実感がわかないな。


 ちょっとやらかした感じのブレスレットになったがコーデリアさん用にせっかく作ったのでプレゼントしよう。



「コーデリアさん、約束のブレスレットを持って来たよ。」


 プレゼント用に飾り付けたブレスレットをコーデリアさんに渡す。


「凄い綺麗な水色のブレスレットですね!」


「僕の水精霊のイメージを表面に彫ってみたよ。」


「ありがとうございます! 私の宝物にしますね。」


コーデリアさんの今までにない位の可愛い笑顔が見れてとても満足感のある作業だった。


「喜んで貰えて良かったよ。」







「……レイは天然さんだにゃ。」





ーーーーーーーーーーーーーーー


 名前・レイ(6歳)

 状態・良好

 属性・雷

 職種・魔導技師2.3 魔導剣士3.5

 種族・人族


 パッシブ・人見知り、建築、土木、料理

      素材の極み、鍛冶


 アクティブ・魔導操作、魔力感知

       鑑定、クリーン、ボックス

       ボール、シールド、ハンド

       ストレージ、ウィップ

       ブレード、武器強化

       サンダーブレード、雷属性付与

       サンダーボール、サンダーシールド

       魔導工房、魔導具作成


 固有スキル・ジョブホッパー

       鑑定の魔眼


 装備・神木の小太刀

    印象阻害の銀ブレスレット

    身代わりネックレス

    重力カウンターの指輪

    雷属性擬態の指輪



 ーーーーーーーーーーーーーーー



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る