第37話 露店

 今日は【魔導工房】で作った低性能なアクセサリーや寮のキッチンで作ったものを露店で販売していた。



露店で販売する為に用意したものは……


【お助けネックレス】軽い切り傷を回復。10回。使用後は使い捨て。 


【電気カウンターの指輪】攻撃を受けると自動で微弱電気の反撃をする。


【変身仮面】20秒だけ変身が出来る仮面。


【至高のシュークリーム】神が食べたいなぁと言っているシュークリーム……。


 アクセサリーは各5個、シュークリームは30個用意した。


 シュークリームは別にしてアクセサリーの性能は微妙だから売れても大丈夫なはず。


 金額に関してはアクセサリーが1万コルト。 シュークリームは500コルトに設定した。





 ☆



「坊主。このお助けネックレスの性能は本当なのか?」


 冒険者かな?という強そうな装備をしたおじさんにネックレスについて質問してきた。

 こんな強そうなおじさんが必要なのかな?

 自分のイメージだと、このお助けネックレスで治せる様な軽い傷くらいはほっとけば治るぜとか言ってそうな感じなんだが。

 あっ、もしかしたら子供にプレゼントするのかもしれないな……。 


「そうですよ! 試しに実演しますか?」


「実演だと?」


「はい、僕がネックレスを付けて……」


自分は気合いを入れて、果物ナイフで自分の指の表面を切る。


「お、おいボウス!?」


「大丈夫です」


 そうすると、最初は傷口から血がポタポタと垂れていたが、直ぐに血は止まり傷口もみるみると消えていった。


「ふうっ、どうですか? もう傷口が消えてるでしょ?」


 治ると分かっていても自分で切るのは勇気がいるな。


「おおっ、これすげえな! 高性能なのに値段が安い! パーティーメンバー分が欲しいから5個くれ。」


「あ、はい! まいどありがとうございます!」


 ん? ……これが高性能?


 自分の聞き間違えかな?




 ☆



「ねえ坊や。この指輪が出す電撃はどの位の痛さなの?」


今度はラフなシャツを着たお姉さんが指輪について質問してきた。


「試してみますか? 僕が装備しますから、準備が出来たら僕に触ってみてください。 怪我はしないけどびっくりしますから注意してくださいね。」


 自分はアクセサリーに【魔力】を補充して、指輪を起動させる。 これはパーティーグッズ的なやつで、静電気を発生させるよりは強めに作られている。


「どうぞ。」


 バチッ


「イタッ」


 静電気レベルだから大丈夫なはずだけど、お姉さんは静電気に慣れていなかったのか予想以上にびっくりしていた。


「な、なにこれ? 私はもっと弱いと思っていたけど、凄いわね……」


「どうですか? ビックリはしても怪我はないはずです。 あと装備者には衝撃は無いです」


「これ、相手の隙を誘うのに良いわね。 騎士団仲間にあげたいから5個買うわ。」


「まいどありがとうございます~」


 騎士団? 子供だましみたいな性能のものを騎士団の人が必要なのかな?


ああ、騎士団内の催し物とかネタとして使うのかな?



 ☆




「この仮面は本当に変身が出来るのかね?」


 奇抜な服装をしたおじさんが仮面を手にとって話しかけてきた。 


「試しに変身してみますね!」


 自分は仮面を被り、【魔力】を補充して【変身仮面】を入れる。


「へ~ん、しん!」


 自分はマントをつけた白いスーツさんになる。


「おおお! 面白い!」


「お! 劇のアイディアが沸いてきた! 是非5個買わせてくれ!」


「まいどありがとうございます!」




 ☆



「おい! このシュークリームは美味しいのか?」


 超イケメン少年にシュークリームについて聞かれる。


 超イケメン少年は服は一般人みたいに汚れていたが、サラサラの髪、艶の良い肌を見る限り一般人ではないなというのがわかった。


しかも、隣には屈強な執事?が護衛していた。


お忍びで貴族の人が遊びに来たのかな?


これは是非営業しておかないとな。


「至高のシュークリームといいます。 試食用にぷちシューがありますが、食べますか?」


「食べたい!」


超イケメン少年は目をキラキラさせて頷いていた。


「でん…、 若、私が味見するので先に食べてはいけませんぞ!」


「う……わ、わかったよ……じいが大丈夫なら食べるぞ」


 キリッとしたダンディー執事みたいな人に止められ、ダンディー執事が代わりに食べた。


「ふぁ!?」


 執事さんが目を見開いた!


「なんですか、この病みつきになる美味しさは! うちの料理長が作るものより美味しいかもしれませんぞ。」


ジイと呼ばれる人はハアハア言いながらシュークリームを見開いた目で見ていた。


この人、ちょっと怖いんだけど……


「じい、落ち着け。」


「この至高のシュークリームは全部買いますぞ!」


「じい!、落ち着け!」


「これは落ち着いてる場合ではありませんぞ!」


そして、ジイはポケットマネーで全てのシュークリームを買い占めるみたいだった……


「まいどありがとうございます~」




 ☆



「割とすぐに売れたなぁ~。 あんな遊び性能アクセサリーにあんなに金を出すなんて、みんなお金持ってるなぁ。」


「これだけ稼ぎがあれば武器や防具買ってもお釣りが出るな~。」



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 名前・レイ(6歳)

 状態・良好

 属性・雷

 職種・魔導技師1.3 魔導剣士3.2

 種族・人族


 パッシブ・人見知り、建築、土木、料理

      素材の極み


 アクティブ・魔導操作、魔力感知

       鑑定、クリーン、ボックス

       ボール、シールド、ハンド

       ストレージ、ウィップ

       サンダーブレード、雷属性付与

       サンダーボール、サンダーシールド

       魔導工房、魔導具作成


 固有スキル・ジョブホッパー

       鑑定の魔眼


 装備・神木の小太刀

    印象阻害の銀ブレスレット

    身代わりネックレス

    重力カウンターの指輪

    雷属性擬態の指輪



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