第30話 チェスガン学園

 自分達を載せた馬車は 《モロット》から半日かけて 《チェスガン》の街に到着していた。


 この世界の馬車は予想以上に振動が酷くて、馬車酔いになりそうだった。

 こういう時に前世の科学力の偉大さを知ることになる。

しかし、相変わらずこの世界の科学力は謎が多いと思う。 魔法が発達した世界の弊害なのだろうか?


 とりあえず自分達は最初に学園に向かうことにした。


 自分達は今日から寮に住む事になるので、早めに入寮の手続きをしておきたかったのだ。 あと、大量の荷物を持ちながら移動はあまりしたくなかったのもあるが……。


「流石に 《チェスガン》は 《モロット》よりも人が多いねぇ。」


(前世の東京に比べると全く人がいないが、この位の人口が丁度良いと思う。 適度に人が歩いている感じだ。)


「そうだにゃ~。 大体20倍以上はいるはずにゃ。」


「こんなにいっぱいの人を見るのは生まれて初めてだぜ!」


 雑談しながら学園に向かって歩いていると、いろいろ店がある。


 雑貨屋、服屋、宿屋、鍛冶屋、食堂……。


 《モロット》では見たこと無いのが本屋とか魔道具屋、聖教会とか他にもありそうだなぁ。


 寄り道したい衝動を抑え、歩いていく。


 前世のイメージで、6歳だけで大きな街を歩くのは危ないと思われがちだが、裏道とか夜中に歩かなければ安全らしい。 大通りを歩けば誰かしら助けてくれるらしい。

 窃盗犯や誘拐犯とかが仮に居ても、失敗した時の罪が物凄く重く。 ほとんどやる価値が無いからみたいだ。 窃盗で40年の強制労働では割に合わないだろう。 しかも【認証の指輪】でバレるみたいだし……。


 まあ、街によって違うらしいが、そこはどこの世界も一緒だな。



 ☆



 やっと学園に到着して、自分達はそのまま事務室に向かう。


「すいません。 今年から学園に通うものですが、入学の手続きをお願いします。」


「おう。 子供達だけでよく来たな。 無事に来れて偉いな。」


 気さくなおじさんが事務室にいたので、話をしながらと入学の手続きをしてもらう。


「入学式が始まる前に制服とか用意する為の情報が欲しいから、この機械に【認証の指輪】をかざしてくれ。」


「わかりました。」


(【認証の指輪】は便利すぎるよな。 本人が認証すれば身体のサイズや名前や年齢確認もしてくれる。 そのかわり嘘がつけないけどね。)


「はいにゃ」

「はい。」


 ブラットやエレナも何事も無く手続きは終わったみたいだ。


「入学式は2週間後で、1週間位したら制服が出来てるはずだからここに取りに来てくれ。 寮は学園の裏側にあるから、そっちの道からぐるりと回って行ってくれ。 そこでこの入寮の書類を渡せば別の奴が寮に関しては案内してくれる。」


「「分かりました。」」


「あと、これが学園や寮での決まり事が書いてある学園案内書だ。 読めない場合はここに来るか、寮で聞いてくれ、寮の管理人も先生だから気軽に聞くといい。 そして学園が始まる前でも事前に連絡すれば施設は使えるから言ってくれ。 ちなみに寮は男女別だからな。  間違っても入るなよ?」


「わかりました。 ありがとうございます。」


(そんなフラグには引っかからないよ……?)


 お礼を言って、寮に向かった。




 ☆



 明日以降の予定は、明日決める事にしてエレナとは寮の前で別れた、そして自分とブラットは寮に入り、自分の部屋に案内された。


 部屋は一人部屋で、4畳半位で洗面所がある位だった。 寮には共同の大浴場、トイレ、簡易キッチンがあるので生徒同士の共同生活みたいな感じだ。 前世でもあまりそう言う経験が無かったから、ちょっとワクワクしていた。


 明日から始まる新生活が楽しみだ。





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 名前・レイ(6歳)

 状態・良好

 属性・雷

 職種・魔導剣士2.4

 種族・人族


 成長スピード 力 3 器用8 速さ3 

        知力8 魔力8


 パッシブ・人見知り、建築、土木、料理

      素材の極み


 アクティブ・魔力操作、魔力感知

       鑑定、クリーン、ボックス

       ボール、シールド、ハンド

       ストレージ、ウィップ

       ブレード、武器強化

       サンダーブレード、雷属性付与

       サンダーボール、サンダーシールド


 固有スキル・ジョブホッパー

       鑑定の魔眼


 武器・神木の小太刀


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