学校編 低学年
第29話 チェスガンへ
自分は現在、ブラットやエレナと共にいつも町に来てくれている行商人の馬車に乗っていた。
「オレは 《モロット》から出るのは初めてだぜ!」
「私もそうだにゃ~。 私は外に出ても近くの森だけだったしにゃ。」
「僕もまさか学校に通うのに町から出るとは思わなかったよ。」
そう。 自分達3人は6歳から通う全寮制の学校がある街 《チェスガン》に向かっていたのだ。
「 《モロット》は小さい街だから、昔に学校の先生をしていた塾のおじいちゃんしか居ないから仕方ないにゃ~。」
「オヤジらはしっかりとした大きい学校に行かせたいらしいな。 おれはあまり勉強したくないんだけどな……。」
「ブラット、ちなみにこれから行く学校には成績表ってのがあるから、ブラットの場合は成績が悪いと親にかなり怒られそうだよね~。」
ブラットの父親はかなりガテン系ではあるが、頭は良くて経営などにも上手いマルチな人で母親は気にしないらしいが、成績が悪いと父親に怒られるだろう。
「成績表があるなんて、マジかよ……。」
「うちらの中で成績の心配するのは、未だに文字を書けないブラットだけだよね」
「なんだと……? いや、エレナも文字は書けないだろ?」
「ふふふ~。 私はもう文字を書けるにゃ~。」
「マジで……? いつの間に」
「ちなみにエレナには僕が文字を教えたよ。」
「そうにゃ、レイは何気に教え上手だったにゃ。」
「おい! 何で俺には教えてくれないんだよ!」
「ブラットは勉強が嫌いだから、教えるって言っても勉強しなかったでしょ?」
「まあ……確かにやらないかもしれないが……いや、でも聞くだけ聞いてくれても良かったんじゃないか?」
ブラットは1人だけ文字が書けないのが何か嫌だったらしい。
「なら向こうに着いたら教えて上げるよ」
「おう、頑張って憶えるぜ」
まあ、多分ブラットの事だから途中で身体を動かしたくなるんだろうな……
☆
これから通う学校はチェスガン学園になり、全寮の4年制で貴族はいなく、貴族以外の少し生活に余裕のある家庭の子供が通うことになる。
ほとんどの人が自分達と似たような距離の町から出てくる感じで、大体が片道半日で遠い人だと2日位になるらしい。 希に遠くの大陸から来てる人もいるらしいが少ないと聞いている。
自分達の場合は、毎週末に帰るよう両親に言われてるけど、中には長期休みの時しか帰らない人もいるらしい。
この世界の学校は聖教会がお金を支援しているらしく、寮での食事は無料で全員が個室と言うからすごいと思う。
学校に通わない人は基本的に町で親の手伝いをしないと生活が厳しい子供だけだ。 あと、お金持ちや貴族は聖教会の支援金プラス学費を徴収してゴージャスな生活を送れるらしいが、自分達には関係無い話だった。
あと、学園には図書館があるらしく、今からとても楽しみにしている。 この世界に転生してから物語のある本はあまり読んでいないから、そろそろ活字枯渇病になりそうだよ……。(謎)
ラノベみたいなのは無いだろうけど、魔法書とか面白そうな本がいっぱいあると良いなぁと思う。
町では家族と幼なじみ、その家族位しか関わらなかったから、全くの他人と仲良くなれるか凄く不安だったりする。
同級生は何人位いるのかな?。 毎年人数が違うらしいから、分からないんだよね。
チェスガン学園は、6歳から9歳までの4年間が低学年。10歳から12歳までの3年間が高学年になる。
高学年になると選択式のコースらしく、冒険者コースとか商人コース、生産職コース、魔法研究コースなど、他にもいろいろあるらしい。
ブラットとエレナはたぶん冒険者コースに行きそうな気はするけど、すごく迷う。
前世での影響だけど、自分は生産職がやりたいんだよなぁ。 ネットゲームでも魔法使いや召喚師をやりながら生産していたし。
でも、生産をやりたいけど、人前で物を作ると【素材の極み】が暴走しそうで怖い。 面倒事には関わりたくないからね……。
この世界の猛者達はヤバいのばかりみたいだから平穏にスローライフにいきたい。
とりあえず4年の内にある程度の将来は決めないとなぁ。
ちなみにこれが今の【ステータス画面】。
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名前・レイ(6歳)
状態・良好
属性・雷
職種・魔導剣士2.4
種族・人族
成長スピード 力 3 器用8 速さ3
知力8 魔力8
パッシブ・人見知り、建築、土木、料理
素材の極み
アクティブ・魔力操作、魔力感知
鑑定、クリーン、ボックス
ボール、シールド、ハンド
ストレージ、ウィップ
ブレード、武器強化
サンダーブレード、雷属性付与
サンダーボール、サンダーシールド
固有スキル・ジョブホッパー
鑑定の魔眼
武器・神木の小太刀
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もう少し頑張れば魔導剣士が練度3.0になるから転職がどんな感じか楽しみだなぁ~。
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