第21話 ソフィア②
【ソフィア視点】
最近、レイが産まれてから一番の衝撃を受ける出来事が起きた。 それはレイが小さい時からずっとやりたいと言っていたので、軽い気持ちで料理のお手伝いをしてもらった時の出来事だったわ……。
私は昔から料理をするのは苦手で、私の作る料理は美味しくないという自覚はかなりあった。それでも冒険者時代にレオンだけは私の料理が美味しいと言って沢山食べてくれたのが私達が付き合った始まり……それは良いとして、家の近くで食堂を経営しているシーラが作るお昼ご飯を食べるレイの表情を見れば味の差は明らかだわ……。
初めてレイが料理するというので、怪我をしないかが凄く心配で、後ろから見ていたけど、レイはブツブツ独り言をいいながらも凄く手際が良く料理をしていた……。
それにしてもレイの包丁さばきは私より上手いかも……!?
レオンいわくレイには剣士の才能は無いかもしれないとは言っていたが、料理を作る姿を見る限りは手先が器用だと分かる。
もしかしたらレイには料理系のスキルでもあるのかしら?
途中、何をしているのか解らない行程がたくさんあった。
そしてスープを完成させていたわ。
私が用意している蒸し芋と買ってきたパンを準備していると、隣から既に美味しそうな匂いがしていた……。
そしてスープを飲んだ時、あまりの美味しさで身体に衝撃が走っていた……。
「レイ、このスープ凄く美味しいわ!! もしかしたらシーラが作る以上かも!」
興奮し過ぎて大声を出してしまった。
(私に料理を作る才能は無くても、味覚は昔から良いものを食べていたから正確なはず……。 きっとシーラが作る料理より美味しいわ。)
「そこまでじゃないよ~。 初めて手伝ってもらったから美味しく感じるんじゃない?」
(……レイに言われるとそんな気がしてきたわ。)
「……そうかしら? そう言われるとそんな気もするわね」
(あれ? ……このスープ危ない成分は入って無いわよね?)
「お昼食べたら遊びたいから、さっさと食べちゃおうよ。」
「そうね…… 食べちゃいましょう。」
(急に身体が熱くなってきたわ……。)
「フローラもしっかり食べようね~」
(私、大丈夫かしら……。)
☆
それからスープに関してはレイに任せることにしたのだけど、何故かレイはスープ以外を作りたがらなくなった……。
私としてはレイの作るスープ以外の料理も食べてみたいと思うけど、本人がやりたがらないのなら仕方がないかなと思っていた。
そして、最近フローラのレイに対する感じが変わった気もする。
その事をシーラに相談してみると……
「ただの親馬鹿なだけじゃないかしら?」
「それなら良いんだけど、レイの作るスープに依存性がありそうな気がするのよね……?」
「レイちゃんの職種がまだわからないけど、もし料理系の上位職種なら……勝手に中毒性や媚薬効果が付与される料理が出来てしまうスキルがあるという噂を聞いたことはあるけど、私は見たことが無いわ。」
(媚薬効果……。 まさかね……。)
「5歳からの体験学習をシーラの食堂でやらせられないかしら?」
「私は別に良いわよ。」
「ありがとう。 その時はお願いね。」
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