第17話 イーストエンド地方

 この前、言っていた世界の常識が分かる本をお父さんにそれっぽく欲しいと言っていたら、お父さんはすぐに自分達が住んでいる世界の歴史を絵本にした分かりやすい本ををもってきてくれた。


 依頼を受けている貴族とは仲が良いらしく、子供が絵本を読みたいと言っていたという話になったら、譲ってくれたらしい。 貴族の家庭にも自分と似たような年齢の子供がいるらしいからちょうど良かった。


 絵本だとしても少しでも歴史の勉強が出来るのはとても助かると思った。




 ☆



 この世界の名前は遠い昔に忘れ去られ、世界の人々は世界を5つに分けて名前を付けていた。 そして、自分達が住んでいる地域は 《イーストエンド地方》と名前を付けたらしい。


 この地域は人類が住める最東端とのことだ。


 ここの土地は昔、邪神と神が戦った場所で数百年にも及ぶ戦いがあった。


 神の使徒に神の能力を継承した14人の英雄が先頭に立ち戦ったらしい。


 7つの【美徳】スキルを継承した【聖人】7人。

 7つの【大罪】スキルを継承した【魔王】7人。


(【魔王】と言えばラスボスの代名詞だけど、こっちの世界では英雄達だったのか。)


 この14のスキルは【固有スキル】で、誰かが亡くなると世界でもっとも適した人物に継承されるもので、【固有スキル】の中でも特殊な部類になる。 だから必ず世界には14人の英雄達が居ることになる。


 神にダメージを与えられる者は、神のスキルを継承した人物だけで、スキルを継承すると授けた神には逆らうことが絶対に出来なくなる決まりがある。


(とても神にとって便利なシステムだな……。 見方によっては神によるボードゲームみたいな印象すら受けるな。)



 長い邪神との戦いが続いていたのだが、とある時代に神のスキルを継承した14人が歴代最強クラスの力を持っていた世代があった。 神々は最後の機会と考えて、持てる最大の加護を14人に与えた。


 それでも邪神は倒せなかった。


 最後の手段として【聖人】、【魔王】は命と引き換えに邪神の力を14分割し、【巨大結晶】へ封印する事に成功した。


 邪神本体は神の住む世界に封印して。


 14個の【巨大結晶】は大陸内にわかりづらい様に封印されている。


 そのうちの7つが封印されてるのがイーストエンド地方で、もう7つは最西端に封印されている。


 【巨大結晶】は神が浄化しても微量が漏れ出していて、それが【魔素】になっている。


 イーストエンドの大地に【火】【水】【風】【土】【木】【闇】の6個の【巨大結晶】、天空に【時】の1個の【巨大結晶】があり、【魔素】によりそこに住む人々には他の大地より多くのスキルを取得することになり、この大地は繁栄したのでした。




(この本には実話って書いてあるけど、話がデカすぎて嘘臭い。 現実に【魔王】とか神はいるらしいから本当なのか?


 【魔眼】で見たときにうっすら【魔素】が大地から沸いているのは見えていたのは不思議だったけど、大地から【魔素】が出ていると考えればあってるのかな。


 あとは【時】の【魔素】が天空から?漏れているとしても、【魔眼】で見えないのは何でだろう?


 ある程度の実話が入ってるけど、売れる為に脚色した物語みたいなものかな。)



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