第16話 妹

 先日、自分には可愛い妹が産まれた。


 名前はフローラといい、母親にそっくりな青い髪に青い瞳をしており、属性は水だった。 妹の顔は産まれたばかりなのもあり、お猿っぽいけど、きっと母親に似て美人になるだろう。



 最近、母親のことをお母さん、父親をお父さんと呼ぶようになり、最初の頃のように両親が他人のようには感じなくなっていた。 身体と精神が馴染んできたのだろうか?


だからと言って、精神が肉体に引っ張られる事はなかったが、一応は子供っぽい演技をしているので、演技に引っ張られる感じはあった。


 あと、3年間ずっとお母さんを見てきて思ったのだが、子育ては初めてだったから良いとしても、家事全般的が得意では無さそうだった。

 天然のおっとりしてる感じだけど怒らせてはいけない気がする。 来年からはお母さんの家事手伝いをして良いとお父さんから言われてるので、今年は妹の面倒を見ようと思っている。


 まずは妹に嫌われないように頑張ろう。



 ☆ 



 そういえば自分の見た目は、金髪で瞳が右が黒、左が金色で自分で言うのもなんだけど見た目は良いほうかもしれない。

 ナルシストではないはずだが、かなり顔は整っている気はする。 しかし、【魔眼】である右目は黒い瞳と言われていたが、黒と言うよりは灰色でぱっと見では失明してるように見えていた。

 他の人の【魔眼】がどうかわからないけど、なんかゲームの敵キャラで出てきそうな感じだった。 お母さんからは眼帯でもする?と言われたが、全力で拒否した。

 前世の悪い病気が発症してしまうからだ。


 最近、親公認になった【魔眼】、【魔力操作】、【鑑定】を頑張りながら体力作りも頑張っている。


 外に出るには戦えなくとも逃げるために最低限の体力作りが必須になるらしい。 どうも自分の体力は平均的に見ても低いらしく、両親からもいろいろアドバイスを受けているのだが、あまり成果は良くない。 前世で運動したことがほとんど無かったから、精神的にかなりしんどいし、もしかしたら身体の使い方が前世の記憶に引っ張られて悪いのかもしれない。


 出来れば【身体強化】などが出来ないかと考えているのだが、魔力が血管を流れている感じだけど、【身体強化】だと筋肉か骨を強化するイメージだろうか?

 でも成長期に余計な強化をして背が低くなったりしたら最悪だから未だに試せてはいない。

 だから今はアイデアだけを考えて、成長したらいろいろ試してみようと思っている。



 最近、【魔力操作】の練習している一環で、【ボックス】を活用出来ないか考えている。 第一に試したいのが建築物などの型枠に使用出来ないを考えている。

 【魔眼】で魔力を確認しながらイメージを鮮明にすれば出来そうではあるがまだ出来ていない。

 型枠が作れたら建築、土木、料理と活用法は無限であると思う。



 【無属性魔法】の説明を聞いてから【魔力操作】で試行錯誤しながらいろいろな事に挑戦していたら、魔力自体には形がないものだけど、【魔力操作】を使えば固めたりも変形も自由なので、かなり万能なものだった。


 しかし魔力を使った【無属性魔法】は一般的には使い道の薄いものとして認識されており、【属性魔法】を使う手前に覚えるだけのものとされていた。 【魔眼】のように魔力が見えるか、感覚で分かる天才肌の人しか分からないのと【魔力操作】でかなり練習しないと実用レベルまでいかない。


 見えないものに努力するなら目に見え、しかも活用し易い【属性魔法】が普及するのは当然だろう。


 それなら自分の持って産まれはアドバンテージは生かすべきだろう。


 それに【魔眼】保有者達も、他の人に感知されづらい【無属性魔法】の利点をわざわざ教える必要はないから認知度も低いのかもしれない。


 でも元々争いの少ない世界で育った自分としては護身と生活改善に力を入れたいと思う。 少し冒険者も憧れるけど、ネットゲームの時もプレイヤースキルが無くてよく死んでいたしな。


 多分、今世も戦う才能は無い気がする。

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