第12話 幼なじみ
自分は朝ご飯を食べたあとの日課になっている、庭で体力作りや文字を書いたり絵の練習をしていたら、幼なじみであるふたりとその母親達が遊びに来たていた。
「にゃにゃ~」
「あそびにきたぞー」
「レイちゃん、おはよう。」
「レイくん、おはようにゃ~。」
「こんにちは。」
ここで自分の幼なじみである2人の紹介を軽くしておこう……。
名前・エレナ(2歳)
状態・良好
属性・氷
職種・無
青白くて少し癖っ毛のある髪に金色の瞳、笑顔は可愛いが普段は眠そうな眼をしている女の子だ。
そして、エレナの頭には先がピンっと尖った猫耳に、おしりから生えているしっぽがゆらゆらしていた。 そう異世界ファンタジーの王道である猫の獣人族である。 初めて見た時は凄くビックリしたが、同時に歓喜したのを覚えている。 エレナの母親の話では猫以外にも多数の獣人族がいるらしい。
ペンギンの種族もいるのだろうか?
そして、もう1人の幼なじみは
名前・ブラット(2歳)
状態・良好
属性・火
職種・無
赤髪に赤い瞳の将来は確実にワイルドなイケメンになりそうな顔をしている。 結構雑な性格をしているようだが優しい子供だ。
ブラットの見た目はエレナと違い、自分みたいな人族と同じだけど、父親がドワーフ族で母親が人族のハーフらしい。
異種族のハーフって有りなんだなと思った。
どうもこの世界は多くの種族がいるみたいだから、【鑑定】を上げて早く種族を表示させておきたいところである。
あと、ふたりの母親は、エレナの母親がエリーさん、ブラットの母親がシーラさんである。
「やっぱりうちの子に比べるとレイちゃんは賢いわね。」
そんな感じでいつもシーラさんは自分の頭を撫でてくれる。
中身が前世38歳のおじさんと2才児を比べるのはズルをしているみたいで、とても気まずい。
「私達は家の中に行くけど、みんなはお庭で遊んでると良いにゃ~」
「「はーい。」」
「はいにゃ~」
☆
「今日は球当ての遊びをしよう。」
円の中でゴム球みたいな物を当てる遊びを3人の中で良くやっていた。 当てられて取れなければアウトというシンプルな遊びだ。
「いいにゃ~」
「いーぜ」
「今日こそは勝つからねぇー。」
……。
負けた……。 自分の1人負けみたいな感じである。
基本的には前世の記憶がある自分の方が、子供の内は身体の使い方など分かっているから、有利なはずなのに速攻でゴム球を当てられて終わってしまう。
というか、ふたりは2歳なのに身体能力が高過ぎると思う。
2歳ってブラットみたいに片手でゴム球をキャッチしたり、エレナみたいにジャンプして回避したり出来るものなのか? というか自分だけが出来ないのかな?
「よえー。」
「よわいにゃ~」
「次こそは本気を出す!」
それから自分は3人の中で一番早く負けていた……。
ブラットは2歳とは思えないパワーで豪速球(レイ視点)投げるし、エレナは球が当たったところを見たこと無い。
「……今日は終わりにしよう。」
「あはははっ」
「よくあたるにゃ~」
おじさんの豆腐メンタルはペチャンコだよ。
そんな感じでいつもお昼までかけっこしたり、球遊びしたりするけど体力勝負だと常に2人には負けている。
2歳の段階でこんなに体力差が出るものだろうか。 異世界ではステータスがかなり影響するのかな? それとも2人とも体力補正があるスキルを持っているのかもしれないな。 そこは【鑑定】さんには是非頑張って欲しいところだ。
☆
お昼はみんなで一緒に食べるのだけど、シーラさんはうちの母親より料理が上手で、遊びに来てくれた時のお昼ご飯は美味しくなる。
母親が料理下手というわけでもないのかエリーさんも似たレベルらしい。
「にゃ~」
エレナはよく食べている。
「シーラさんおいしいです!」
「あきたぜ……。」
「おい、ブラット! それなら偶にはうちのご飯を食べてみろ!」
「レイ、どういう意味かしら?」
あっ、ちょっとよけいな発言をしてしまった。
「……いや、 お母さんのゴハンオイシイヨ?」
その後、お母さんに怒られた。 くそっ、ブラットめ!
お昼ご飯を食べるといつも残りの家事があるとかでみんな帰っていく。
今日は疲れたがら、もうお昼寝しようかな。
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