第4話 鑑定
【魔力操作】と【魔力感知】を覚えてから、数日が経過していた。
【魔力操作】とかを覚える時に霧の様なものが見えていたから、これが【鑑定】の効果なのかと思っていたら、【鑑定】を使うと別のそれっぽい効果が現れた。
しかし【鑑定】スキルを少し使ってみたけど、効果が微妙だったのでもの凄くショックを受けた。
壁や天井を【鑑定】すると……。
【壁】 普及している建材で作った壁。
【天井】 普及している建材で作った天井。
しか表示されなかったのだ。
もしかしたら、スキルレベルみたいな、スキル名以外には表示されないレベルがあるのかもしれないとポジティブに考える事にした。 むしろそうであって欲しいと言う願望ではあるのだけど。
そして母親?を【鑑定】したら【ソフィア】と名前だけが表示されたので、たぶん母親?の名前だと思う。 そして母親?を【鑑定】した時、急に雰囲気が険しくなり周囲を警戒しだしたので、もしかしたら【鑑定】をすると相手にバレるのかもしれないと思ったので無差別に使うのはなるべく控えるようにしようと思った。
0歳児が【鑑定】スキルを使っていたらホラー映画みたいだからな。
この世界で目覚めてから出会った人物はソフィアと言う女性だけだし、授乳もしてくれているので、この人が自分の母親だというのはほぼ確定だったのだが、どうしても前世で38歳独身だった中身おっさんとしては、ソフィアの様に若くて綺麗でモデルみたいな年下の女性を現実的に母親とは思えず、しっくり来なかった。
しかし、授乳時のミルクを飲む作業や胸を見るのにはほとんど抵抗が無くなって来たので、それと同じ様に、そのうちソフィアの美しさにも慣れて母親だと自覚するんだろうか?
あと【鑑定】スキルは右眼を開いてないと発動しない事が解ってきた。
ますます、中二病みたいな感じになって来たと思う。
そのうち変なポーズを決めて、クックックとか笑い出さないだろうか不安だ。
昔の病気が発動してしまいそうだと思ったが、スキルなどがある世界だから有りなのかな?とも思った。
まずは母親以外の人を観察しないとこの世界のことが全然分からなかった。
そして【魔眼】だからか右眼に【魔力】を集中させると、【魔力操作】の時に見えていた霧の正体が【魔力】の流れだと言う事が解ってきていた、【鑑定の魔眼】には【魔力】をみる能力と【鑑定】をする能力のふたつがあることが分かったのだ。
【魔力】の流れは霧のような感じで下からゆらゆら上がって来るような感じで、まるでお化け屋敷の演出みたいで怖かった。
あと、【魔力】は【魔力感知】は出来ても【鑑定】をする事は出来なかった。
その辺はレベルが足りないのか、物質みたいなのしか【鑑定】が出来ないのかは不明だったが、もう少し【鑑定】さんは万能さを出してくれても良い気がする。
ラノベなら【鑑定】は凄いスキルなのだから……。
このままだと【鑑定の魔眼】ではなくて【魔力】が見えるただの【魔眼】に成り下がってしまいそうだ。
だけど、もし【魔眼】にもレベルがあり、【魔眼】を使い続けたら性能が上がるかもしれない、だから暇があれば【魔眼】発動させておこうかな?
心配な点は【魔眼】を使いすぎると、失明するとか無いよね?
☆
暇さえあれば【鑑定の魔眼】を発動させて、【魔力】を見たり、【鑑定】を使い周囲の物を調べまくっていたら、遂に【鑑定】さんがレベルアップしました!
そのレベルアップ効果は……。
【壁 ウィリー材】
項目が一つ増えたのだった。
しかし、これによりスキルには表示されないレベルみたいな何かがある可能性が出てきたので、なんでも使い続けたら上手になるのかもしれない。
こういうスキル上げみたいなものは、元ゲーム好きとしては上がると分かれば地味で同じ作業の繰り返しも楽しくなってくるものだった。
まだ身体の中で動かせるのが、手と足を少し位しか動かせないので、今のうちに【魔力操作】や【魔力感知】、【鑑定】を使いこなしたいと思っていた。
【鑑定】と言えば、異世界テンプレ的にチートなスキルだから、どこまで項目が増えるか楽しみだった。
あと【魔力操作】に関しては、まだ手のひら辺りに【魔力】を微量を集めるだけで集中が切れてしまい、【魔力】が霧散してしまう状況だった。
赤ん坊だから集中力が無いのかは分からなかったが根気よく続けたいと思った。
この世界に転生してからまだ数週間だけど、寝てるとき以外はずっと何かのスキル使用していた。 しかし、よくある【魔力】切れを起こして気絶からの大騒ぎなイベントには一度も遭遇してない。
これは【魔力】量が生まれ付き膨大とか、スキルは【魔力】を使わないかどちらかなのかなと推測しているが、【魔力】を使わないのなら何とかして消費して、出来ることなら赤ん坊の内に【魔力】量の底上げをしたいと考えている。
もしかしたら赤ん坊の方が成長率が高いかもしれないのだ。
【魔力】消費の可能性としては、母親がよく自分にしてくれる、手を光らせている行為が【魔力】消費する魔法の可能性が高い。
そこで良いことを思いついた。
【魔力感知】で集中すれば【魔力】の使い方がわからないかな?
スキルもレベルとか数字で表示されないからゲーマーとしては達成感が薄いのと、前世ではネットで調べればすぐに答えを出してくれるのに慣れてる自分としてはこのままで正解なのかという焦りがある。
☆
【魔力感知】で母親の魔法を見続けて数日……。
【クリーンを感知しました】
【クリーンを取得しました】
【クリーン】を取得したぞ?
名前からして清潔にしてくれる【魔法】かな?
もしかしたら【魔法】を【魔力感知】で感知すれば覚えられるのかもしれない。
【クリーン】の【魔法】効果は解らないけど、使い方は取得した時に何となく解る様になっていた。 よくある【魔法】詠唱もいらないし、やることは【魔力操作】の延長みたいな感じかなと思っている……。
【クリーン】のやり方は体内の【魔力】を操って、手の先に【魔力】を展開してから【魔法】効果と共に【魔力】を体外に出すイメージだった。
手の先に【魔力】を展開する方法は粘土細工で物を作るみたいなイメージでいける気がする。
前世でインテリアデザインもやっていたからイメージする事に関しては得意だし、フィギュアとか作るのも得意だったからこの世界の【魔法】は自分に合っているかもしれない。
すぐにでも【魔法】を使って見たかったけど、さすがに0歳児が親の目の前で手を光らせながら【魔法】を使いだしたらいろいろとまずいと思うので、親が部屋から出て行ったら早速【クリーン】の【魔法】を使ってみようと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます