第10話 ゴーレム戦そして金策
もう一体の取り巻きも倒してしまおう。
もう一体のマッドレッサーゴーレムに向かって走り出すが、横からロックゴーレムの攻撃が襲ってくる。
うっとおしいソロでクリアするには難易度高すぎだろ。
刀だとダメージを与えられないだろうしメイスにするとこんどはマッドレッサーゴーレムに攻撃が通らなくなる。
やはりこの洞窟のゴーレム達は魔法で攻撃するのがセオリーなのだろう。
だが俺は魔法が使えない。
ナツメは今、召喚する気はない。
……だったら。
「【クイックチェンジ】タイプメイス」
ロックゴーレムをメイスでふっ飛ばす。すかさずマッドレッサーゴーレムが割り込んでくる。
マッドレッサーゴーレムにメイスを叩き込む。
マッドレッサーゴーレムが爆散する。
再生する前にロックゴーレムの元へ向かい、ロックゴーレムとの戦闘を行う。
マッドレッサーゴーレムが再生したらもう一度爆散させる。
邪魔をされるなら出来ないようにするだけだ。
これなら少しずつではあるがロックゴーレムを削れるが……
「おわっと」
ロックゴーレムの攻撃パターンが変わって衝撃波にもダメージ判定が出るようになった。
さすがにこの戦い方じゃ先にこっちのHPがなくなるな。
やはり最初にマッドレッサーゴーレムを倒すべきだろう。
倒すには刀に持ち替える必要があるが、持ち替えた瞬間に今度はロックゴーレムが邪魔をしてくるだろう。
となるとロックゴーレムが攻撃出来ないようにしなければいけない。
そうと決まればさっそく行動開始だ。
まず邪魔をされないようにマッドレッサーゴーレムをメイスで爆散させる。
再生する前にロックゴーレムのもとへ向かう。
ここまでは前と同じだ。今度はロックゴーレムの足にむかって攻撃を集中させる。
メイスで殴りまくる。
「これでどうだ、【パワークラッシュ】」
「GOAッ!!」
ゴーレムが片膝を突く、うまくいったようだ。
ゴーレムは現在、欠損と言う状態異常に掛かっている。欠損は同じ箇所に攻撃を受け続けると起きる状態異常で攻撃を受け続けた部分から先が無くなるのだ。回復方法はHPが最大の状態の時にポーションを使うか1分の時間経過のみである。
これでロックゴーレムの動きは封じた。後は……
「【クイックチェンジ】タイプ刀」
マッドレッサーゴーレムを千切りにした。
うんやっぱ刀は手数が多くて良い。剣だとどうしても威力重視になるが威力ならメイスで事足りるしな。こんど【刀術】スキルの会得方法調べよう。
「【クイックチェンジ】タイプメイス、さて後はお前だけだな」
まだ欠損が回復するまで十分時間がある。
片足か欠損して動けないロックゴーレム。
メイスを持った俺。
この後どうなるかは言うまでもないだろう。
《プレイヤー「リューヤ」によって北のボス、ロックゴーレムが討伐されました。以後北のボスは弱体化かそうでないかを選ぶことが可能です》
『今回の戦いの動画を公開しますか?』
ん? なんだ今の。あ、そういえばボスを最初に倒すとワールドメッセージで言うのが送られるってコウが言ってたな。最初のやつがそれか。
で、2つ目が動画? そんなの撮ってたのか。まあ別に見られて困るもんでもないしな、YESでいいか。
どうでもいいけどどうしてあんなに硬いロックゴーレムにこんなに簡単に解体ナイフが刺さるんだ? 明らかに刀より性能良くないか? まあ攻撃力0なんだけど。
『リューヤはレベルが上がった』
『ナツメはレベルが上がった』
お、レベルが上がった。ナツメのレベルも上がったって事は、経験値は召喚して無くても勝手に2等分されるのか。レベリングが大変そうだな。
そろそろ戻るか。
ボスを倒したんだから転移陣とかあるはずだ。
確かボス部屋の奥だっけ?
『どこに転移しますか?』
第二層
洞窟前
始まりの街
あれ? 次の町とかないのか? そういえばボス倒した時のアナウンスも、次の町に行ける的なことは言ってなかったな。
まあいいか、始まりの街に戻ろう。
そのまま始まりの街に転移した。
◇
ここは……噴水広場か。
さてと、さっきの露店のお姉さんにでも鉱石を売りに行くか。
色々買って今金欠だしな。
「こんにちは」
「やあ、さっきの刀買ってったお姉さん、キミ強いんだね。まさかロックゴーレムをソロで倒すなんて」
「ん? 何でそれ知って……ってそういえば動画を公開したんだったか」
《プレイヤー「コウ」「ルカ」「ミキ」「ユウキ」「アルミ」によって東のボス、スライムキングが討伐されました。以後東のボスは弱体化かそうでないかを選ぶことが可能です》
《動画が公開されました》
コウとルカとミキってあの三人か、ユウキとアルミって人は知らないけどパーティメンバーかな。
動画も公開されてるし後で見るか。
「お、東も倒されたね。この調子だと西と南も時間の問題だろうね」
「そうですね。あ、そうそう素材持ってきたんで買い取ってもらえますか?」
「お、もう持ってきてくれたのかい、嬉しいね」
洞窟で取った銅鉱石を見せる。
「おお、銅鉱石か、うんうん、品質はなかなか良いね。銅鉱石ってこれだけ?」
「まだありますよ」
そう言って銅鉱石をインベントリから全部取り出す。
一気に出したのでドスンと大きな音が鳴る。
大きな音でビックリしたのだろう。後ろを通っていたプレイヤーがこっちを向く。
「い、一体いくつ取ってきたんだい」
「たしか25個ほど」
何か後ろがうるさいな。
「に、25個か、なかなか大量だね」
「いえいえまだこっちがありますよ」
こんどは鉄鉱石を取り出す。
「鉄鉱石! これって滅多に撮れないんだよ。二層に行ったの?」
「いえ、一層で取れましたよ」
そう言ってこっちも全部取り出す。
もう一度ドスンと音が鳴る。
後ろが騒がしくなる。誰かが大道芸でもやっているのか。
「へ? ……これって全部鉄鉱石?」
「ええ、そうですけど……どうかしましたか?」
「これって全部一層から手に入ったの?」
「はい、全部一層からですね」
「そ、そう。きっとβ版と仕様が変わったのね」
βの時は鉄鉱石の取れる確率は約5%だったらしい。そりゃあこんなに持ってきたら驚かれるわな。
「銅鉱石25個と鉄鉱石20個、合わせて15万Gね」
後ろがまた騒がしくなる。きっと凄い人が大道芸をやっているんだろうな。
「え? 15万」
「そうよ銅鉱石は一個2000Gで25個だから5万G。鉄鉱石は一個5000Gで20個だから10万G。合わせて15万G。いきなり大金持ちだね」
初期所持金額って確か1万Gだったよな。いきなり15倍ほど稼いだんだが。どうしよう金欠が一瞬で解決したぞ。
ていうかこの人簡単に15万G渡してくるとか一体どんだけ金持ってんだ。
「ねえ、フレンド登録しない。あなた強いしこれからも色々素材を売って欲しいんだけど」
「あ、はい。こちらこそ喜んで、えっと……」
「あ、そういえば名乗って無かったね。私はアーデっていうのよろしくね」
「リューヤって言います。こちらこそよろしくお願いします」
『アーデとフレンド登録しました』
「おい、これはどういうことだ」
フレンド登録した直後後ろから声を掛けられた。
何か今日はよく揉め事が起こる日だな。
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