第9話 ゴーレム戦

「よし、やるか」


 ここは、始まりの町の北。

 レベル5ならここが、適正エリアらしい。

 始まりの町の西は山、東には草原、南には海が広がっているそうだ。


 そしてここ北には洞窟がある。


 中には発光石と言う石のおかげで常に明るいらしい。


 洞窟といっても中はかなり広い。横幅は約10m高さが約5mで戦闘するには十分な広さだ。


「まずは準備だな」


 俺は【クイックチェンジ】の控えに刀をセットした。

 これでいつでも刀とメイスを持ち変えることが出来る。


 ついでにスキルも整理しとくか。



 PN:リューヤ

 種族:天使族

 LV:5

 HP:500/500

 MP:400/400

 ――――――――――――――――――

 STR:20

 VIT:14

 INT:11

 MND:15

 AGI:18

 DEX:10

 ――――――――――――――――――

 職業:召喚士


 ステータスポイント:0


 スキル

【クイックチェンジ】LV1【棍術】LV2【体術】LV1【採掘】LV1【解体】LV1



 スキルは現状5つまで付けることが出来る。


 なのでメイスのアーツ用に【棍術】


 万が一装備していた武器が弾き飛ばされてクイックチェンジが間に合いそうにない時用に【体術】


 あとは洞窟内では鉱物が取れるらしく鉱物を手に入れるにはピッケルが必要らしく買ったら手に入れた【採掘】このスキルがあるとピッケルが壊れにくくなり更に採集ポイントから普段より多くの鉱物が手に入るらしい。


 そして倒したモンスターは本来倒した瞬間に消えてインベントリに勝手にドロップアイテムが入るが、この【解体】スキルがあると1分間その場に残り解体ナイフと言うアイテムを倒したモンスターに刺すとドロップアイテムの量が増えるらしい。このスキルも解体ナイフを買ったら手に入った。


 ただ、ピッケルと解体ナイフを買ったせいで財布が軽くなってしまった。鉱物でも掘って売りに行かないと金がない。


 スキル枠は10レベルごとに一つ増えるらしいので刀術を手に入れたらレベリングでもしよう。


 ちなみに今回はナツメを召喚していない。召喚していない場合経験値がどうなるか調べておきたいからな。


 よし、じゃあ出発。


 中に入ると所々光っているこれが発光石の光か。確かにこれなら視界が悪くて戦闘できないとはならないだろう。


 お、発光石とは別の色の光が見える。あれが採掘ポイントかな。早速ピッケルで掘ってみよう。



 銅鉱石×2

 鉄鉱石×5



 うんなかなかの量だな、鉱石は現在だと結構高く売れるみたいだしこの調子でどんどん掘っていこう。そのうち【鍛冶】スキルを取って自分で武器を作るのもありだな。


 ん? 足音が聞こえる。モンスターかプレイヤーか。


 奥からは人影が見えるプレイヤーかななどと考えていたが……



 ゴブリン×2 LV4



 ゴブリン。この洞窟に出てくるモンスターの中で一番エンカウント率が高いモンスターらしい。

 2体かちょうど良いな。

 俺は現在2回ほど戦闘をしているが、片方はNPCであるモルドさんもう片方はプレイヤーであるコウだ。モンスターと戦うのが実はこれが初めてだったりする。

 2体いるのでメイスで1体、刀で1体倒してみよう。


 ゴブリンに向かって駆け出すメイスを右側のゴブリンに振るう。


「GUGIAAAッッ!!」


 それだけでゴブリンのHPは吹っ飛んだ。


「はぁ?」


「GUGI……GI?」


 おいおいなんだ今の威力は。思わず間抜けな声が出ちゃったよ。もう一匹のゴブリンも『え?』みたいな感じで固まってんじゃん。


 まあとりあえず【クイックチェンジ】で刀に持ちかえる。ちょうど惚けていたゴブリンも正気に戻ったようで手に持った棍棒を握り直す。


 そして………


 ゴブリンは次の瞬間、輪切りになっていた。


 弱い、弱すぎる。

 確かここってレベル5の適正エリアじゃ無かったのか?

 あ、そういえば今の俺ってレベル5の枠から外れてるんだっけ。それじゃあしょうが無い、もっと奥まで行ってみるか。

 あ、そうだ解体ナイフ刺さないと。


 そうして俺は棍棒と刀を振り回しながら時々鉱物を採集してどんどん奥に進んでいく。


 そして……


「ん? これってもしかして」


 目の前には大きな扉があった。


「ボス部屋だよな」


 最初の探索でボス部屋って行って良いのか?

 まあゴブリンじゃ物足りなかったし、ちょうど良いか。


 扉を開けて中に入る。

 中には強大な岩があった。これってあれだよな、こういうゲームでは定番のあいつだよな。


 突如岩が動き出した。


「GOAAAAAAAッッッ!!!!!」



 ロックゴーレム LV10



 はいやっぱりゴーレムでした。いやあ~定番だね、テンプレだね。こういうモンスターって最初は苦戦するんだよね。堅すぎて攻撃が通らないとか。水魔法が無いと削りきれないとか。


 ……まあ今の俺には関係ないんだけどね。


「【パワークラッシュ】」


 堅すぎて切れない? 殴れば良いじゃない。水魔法が使えない? 殴れば良いじゃない。


 と言う訳で高いステータスに物を言わせたメイスで殴りまくる。こういうゴーレムみたいな敵は刀を使っても弾かれるだろう。

 だがメイスみたいな打撃武器はよく効く。

 さらに言えば、ロックゴーレムのような堅いモンスターを攻撃すれば、武器の耐久値は普段よりも多く無くなるが、今持っているメイスは初期装備なので耐久値は∞だ。

 そのあたりを考えなくても良いのはありがたい。


 つまり俺はロックゴーレムに攻撃を当てることとロックゴーレムの攻撃を避けることだけ考えれば良い。


 ゴーレムのHPがドンドン削れていく。HPゲージが半分を切る。


「GOAAAAAAAAAAッッッッ!!!!!!」


「攻撃パターンが変わるタイプかっ!! めんどくせえなっっ!! またパターン、覚えなきゃいけねえじゃねえかっ!」


 更に周りの土が動き出した。



 マッドレッサーゴーレムLV7



 ここで取り巻きかよ! ふざけんな! ソロでクリアさせる気ないだろ!


 取り巻きは2体。先に取り巻きを倒すべきだろう、と考えメイスを振るうが……なるほど再生能力ですか。さいですか………………メンドクセエエエエエエエェェェェッッッッ!!!!!。


 落ち着け俺、クールダウンだ。この取り巻きはどう言うタイプだ?倒せないタイプか? いや、倒せないならHPバーなんていらない。倒したらリポップするタイプか? う〜ん、流石にこれは倒さないとわからないか。


 じゃあ倒すしかないか。


「【クイックチェンジ】タイプ刀」


 刀に持ち替え取り巻きを輪切りにする。

 HPに変化なし。


 どうしたら倒せるんだよ。ゴーレムの弱点といったら、核か?こいつ核があるのかさっき輪切りにしたけどそんなの無かったぞ。いや、小さいのか?それとも魔法しか聞かないのか?


「しゃあない、これでダメならこいつらは放置だな」


 今度は千切りにする。

 ん?何か硬い物に当たった気がする。

 再生しない、どうやら当たりを引いたようだ。


 リポップはしないようだしもう一体もこの調子で倒してしまおう。

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