第2話 ゲーム始めます
翌日の早朝。
今日は土曜日、そしてOLFOサービスは今日の14時から開始される。
そして今俺は……。
春香と美月と光輝を正座させ叱っている最中だった。
話は約一時間前にさかのぼる。
◇
「ねえねえ龍也」
「ん? なんだ」
目を開けるとそこにはパジャマ姿の美月がいた。
「なあ美月」
「なに?」
「お前はなぜここにいる」
「いやーちょとゲームが楽しみすぎて寝付けなくてね」
「そうかそうか……で、どうやって入ってきた」
「私の部屋のベランダから龍也の部屋のベランダに跳んで、そのまま窓を開けて入っただけだけど?」
「そうかそうか……で今何時だ?」
「えっと……朝の四時です」
「そうかそうか……つまりお前は朝の四時に他人の部屋に入り込んだ訳か」
「え…ええっと……はい」
「お兄ちゃーん」
いきなり勢いよく部屋のドアが開いて春香が飛び込んできた……俺の真上に。
「がはっ」
話を聞くと美月同様寝付けなかったようだ。
「ふむふむ、つまり二人とも寝付けなくて俺の部屋に来たと」
二人がうなずく。
そして入れはにっこりと笑って……
「時と場所をわきまえろ――――――!!!」
美月はうちのお隣さんでことあるごとに先ほどの方法で俺の部屋に入ってくる。そしてこういう時は大抵春香が同じように部屋に飛び込んでくる。
ちなみに光輝の家は向かいだ。
更にこういう時は、ほぼ100%電話が掛かってくる。
「光輝今すぐこっちに来い」
『おい! 今まだ1コールもしてなかったぞ! 何で1コールもしてないのに電話に出られるんだよ』
「い・い・か・ら・速く来い!」
『あ、はい』
こうして非常識な時間に不法侵入してきた幼なじみと非常識な時間にボディープレスをかましてくる妹と非常識な時間に電話をしてくる幼なじみを3人そろって正座させ説教中である。
時計を見るとそろそろ5時、これくらいにしてやるか。
「光輝お前もどうせ寝て無いんだろ。美月の分の布団はすぐ出すから春香の部屋で待ってろ。どうせこっちで寝るんだろ。」
そして光輝は俺のベットで、春香は自室のベットで美月は春香の部屋に俺が敷いた布団で寝た。
俺? ははは、あいつらを怒った時点で眠気なんて吹き飛んでたよ。
さて折角だし光輝と美月の分の朝食を作っておくか。
そして準備をしている途中で良い時間になったので美月の家と光輝の家に電話を掛け二人が家にいることを連絡し朝食の準備を再開する。
そして準備が出来たら全員起こして朝食をいただく。
「「「「いただきまーす」」」」
そうして3人はもう一眠りするために自室に戻り俺は洗い物や洗濯を干しそして少しゲームについて調べたら今度は昼食の準備。
春香を起こして昼食を食べて現在13時半、まだ少し時間があるので食器を洗ってから2階に上がる。
ネットでもう一度ゲームのことを調べたら良い時間。
VRギアをかぶる。
「ダイブイン」
『OLFWを起動しますか』
「はい」
『プレイヤーネームを入力してください』
プレイヤーネームか、どうするか考えて無かったな。
『リューヤでよろしいですか』
「はい」
『キャラメイクを行います。初期設定の顔をベースにして作成しますか』
「はい」
すると目の前に鏡が現れた。そこには俺が映っている。これに手を加えるのか。
とりあえず髪の色を変えてみる。うん、なんか変だ。やめよう。
髪を伸ばしてみるか。うんこれなら違和感かあまりないな。
目の色は……あんま変わらんな、どうでも良いか。
他にも色々変えられるらしいけどこんなんで良いかな。
『これでよろしいですか』
「はい」
『種族を決めてください』
種族か、確か調べた中にあったな。
選べる種族は
人間
平均的な種族。
迷うようならこれにするべき。
エルフ
知力と器用に優れるが打たれ弱い。
魔法や弓など遠距離にお勧め。
ドワーフ
筋力と器用に優れるが足が遅い。
剣や斧、職人などにお勧め。
獣人
狼、兎、狐、猫
種類によって優れるところが違う。
狼:筋力 兎:器用 狐:知力 猫:敏捷
鬼人
耐久と筋力に優れるが不器用。
斧や大剣など近距離がお勧め。
妖精
知力と敏捷に優れるが筋力が弱い。
回復や支援などのサポートがお勧め。
という感じだったはず。
有る程度進めると種族を変えることも出来るらしいがレベルもリセットされるらしい。
種族の中ではレベルがある程度上がると上位種族に種族進化できるらしい。
そして、ゲームを進めていくと変えられる種族が増えることがあるらしい。
その種族の中で通常のプレイでなることの出来ない種族をレア種族と呼ぶらしい。
どれにするか。
ん? 下にランダムという物がある。
これはネットに書いてなかったからβの時には無かったのかな。
えっと……お、ヘルプがある。
ランダムを選んだ場合、数ある種族の中からランダムで一つ選ばれてその種族になります。どの種族になるかはゲームを始めるまで分かりません。
ランダムの中にはレア種族や上位種族も含まれています。
とのことだった。
ただ排出率は良くないようでレア種族の確立が5%で更にレア種族の中でも能力が普通の種族とあまり変わらないのが90%優秀な物は9.9%そして上位種族は0.1%のようだ。
確率低すぎないか?
これ結局上位種族の確率5%のなかの0.1%って0.005%じゃん。
上位種族は無理そうだけどレア種族くらいにはなれるかもしれないな。
よしランダムで行ってみよう。
『ランダムでよろしいですか』
「はい」
『職業を選んでください』
職業か、どうするか。
とりあえず一覧を見る。
うん、多いな。一体何種類あるんだろうか?
これだけ多いと迷うな。
まあ適当に興味を引いた中から選ぶか。
【魔法剣士】
これは言わずもがな。魔法剣士はロマンだろう。ただ魔法と剣と両方あるので器用貧乏になる可能性もある。
【大砲士】
単発の攻撃しか出来ない上に消費MPも半端ないがそれを補ってあまりあるほどの威力を誇る魔法職。
【召喚士】
これまたロマン職。召喚獣って憧れるよね。
うーん、こんな所か、どうしようか。全部捨てがたい。転職って出来るのかな?
ヘルプを見てみました。出来ないですか。さいですか。
うん、召喚士にしよう。魔法剣士はどうなるか分からないし砲撃士はパーティがいないと難しいだろう。今回はある程度ソロでやるつもりだから召喚士が良いだろう。
【
種族:???(ランダム)
――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
職業:召喚士
『これでよろしいですか』
「はい」
『種族がランダムになっています。ほんとうによろしいですか』
「はい」
『職業は変えられません。よろしいですか』
「はい」
『登録完了しました。プレイヤーリューヤさん。OLFWの世界へようこそ』
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