16話:向日葵のように、まぶしく
―――――
教団の
まさか、
冷静に考えてみれば当然、か。
一度、
だが、奴らを突き動かすには十分、という
故郷に戻る事も考えはしたが、
村々を渡り歩き、やがて俺達は
運良く
俺の出身部族、闇の民は、まぁ、変わっている。
天宮信者の連中は、俺達、闇の民を“逃げ
長老達の口伝や伝承に、天宮信者の
多分、落ち
そうでもなきゃ、闇の神々を信仰する、ってのが説明つかん。
元来、闇の神々は、
人間が闇の神々を信仰するってのは、どう考えても“
そうだろう?
朝起き、働き、夜寝る。これが一番、生理的に合っている。合理的、じゃあない、生物学的に。
だが、俺達、闇の民は違う。
昼はひっそりと休み、夜、男達は森に
多分、元々狩猟民族だったんだろう。つまり、天宮信者と同じ。
土地に
部族に伝わる
と、まぁ、こんな感じなもんで、
メイサにとっても、こっちの生活の方が良かったらしい。
彼女は、集落を
その働きとは、物乞い。
無論、止めた。
彼女は、自分の食い
俺が用意した食事にはいつも
始め、俺はその
「メイサ。俺からの
「――…うん」
「物乞いも、確かに一つの
だが、俺の部族は勿論、恐らく、君の
それにその職は、いざという時、役に立たない。
出来れば、
「――……うん」
「だったら、こうしよう。
俺が君に“仕事”を与えよう。その仕事をしてくれたら、俺は君に正当な“
「……うん」
納得した様子はなかった。
俺が与えた仕事を、それなりにこなし、併し、やはり俺の目を盗んでは物乞いをしていた。
俺も、それ以上、注意する事はなかった。
理解できよう
それは彼女が
そして間もなく、彼女は、知った。
集落を離れ、山野に入る事で、第三者が、
同様に、小銭が、貨幣が、どれ程役に立たないか、を知った。
天然の
そんな
本来、無口だった俺が、彼女に対して一方的に話すだけの毎日から、彼女から俺に
そう、彼女は、本当は、よく笑う
その
彼女の笑顔を――
――俺は決して忘れない。
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