13話:努めて、冷たく
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月明かりをキラキラと
その輝きは、
「いい加減、姿を現したらどうなんだ?バレていないとでも思うたか」
――ウフフッ。
やけに甘ったるい女の笑い声。
声は
四方に飛び立った蝶の、その中心にゴスロリ衣装を
まるで、人形のように美しく、魅力的、
「君が、“
「別に――…手合わせなんかしなくてもいいし」
「――なにっ!?ど、どういう事だ…」
「あたし、――お兄さんのこと、ちょっと
一瞬の
「――…
ぷくっと頬を
「そんなつもり、全然ないし」
「……ならば、
思い出したかのように、
「ああ、そっかぁ。うーーん、それはちょっと
「――交渉決裂、残念だ……
クスクスと
「剣なんかいらないし。あたし、
なんなのだ、この少女は――
まるで読めない、その
ころころと変わる表情とは打って変わり、その感情の
恐らく、俺の
魔道士、だと。
いや、その
――不利、に。
不利になるかもしれないんだぞ、自身の属性を、階級を、技能、特技を公言するのは。
俺を?
いや、
違う――
ちらつく。あいつ、の
右手首に巻き付けた毛髪で作られた
――まいったな…
初戦から、なんて
「少女よ……君の名を聞いておきたい」
「あたし、ティキ!“
この手の、
心に
「俺は青き
大きく瞳を見開き、首を
「なんか知らないけど、
――
この少女との時間を共有するのは、
ふつふつと湧き上がる、この感覚。
この
一気に
彼女の存在を、名以外、俺の記憶に残さない
空には太陽が
氷点下の空気が
「出会ったばかりで申し訳ないが、一気に終わらせて
ティキは
――が、動けない。
彼女の右足が大地に引っ付いている。
寒さで
その大きな瞳をぱちぱちさせ、焦った様子で、
「――!?アレレ?動けないし!」
グインは
舞い散る鮮血は間もなく
漆黒のリップを塗った小さな
「えっ?えっ!?――…や、ヤラれちゃった、
少女の首が力なく、カクンと落ちる。
やがて、
穏やかに眠るような表情が、妙に切なく、
「美しき少女よ――せめて、その
俺の
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