8話:黒の華墨
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
――“黒の
届いた、私の元にも。
“風”の
中には黒皮の手紙と
手紙には、封皮と同じくぼんやりと光る金字で文字が
『
さて、この
是非とも
同封されていた貴石は
これを持つことが“
善悪の概念では
そしてそれは、不確実ながら確定的に世界へ影響力を
――
こいつについて解説するには少々、私の持っている知識や情報では足りない。
だが、ニュアンスについてだけなら伝えられる。
一つだけ明確なのは、
参加への選定や
はっきりしているのは、
一番有名な
そんな夢物語のような話があるのかって?
それだけは間違いない。
神話の書き換えや歴史の
そして、その
つまり、
恐らく、私にとって『嵐を呼ぶ者たちの
我が部族に探索行の再現者は
同じく、我が部族に
しかし、ガナランド、フーバドーン、カナーシュ、アンクラインの四地方をまとめ上げたオルクレス王国初代国王オルクレイオスは
これだけでも十分、
断る理由がない。
そして、部族を救うのだ。
―――――
ヴァン・ヒュー族は勿論、グ・ヒュー全部族に加え、ガナランド中の風の部族から代表者が、祝福する者が、応援する者達が
大戦が始まる訳でもないのに、これ程多くの風の民達が集う事はない。
自由なる風の民が、誰かに厳命された訳もなく、自らの意思で自由参加。
アンジュの為に、アンジュの勝利の為に、部族の未来の為に。
祝福の風が舞う。
なんたる光景だろう。
いつ以来?
これ程多くの者達が、
希望に満ちた笑みを浮かべ、私の
感謝しなければなるまい。
神に?
いや、この時だけは、
――私は、勝つ!
なに、に?
月の民に?
敵に?
違う。
私自身に。
この期待の大きさに、
私は負けない、敵に負けない、誰にも負けない。
勝つんだ、絶対に――
――さあ、行こう。
勝利するために。
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