7話:奇跡の遺跡
―――――
――
並の相手、いや、極度に洗練された戦士の
風の流れは目で見るより
その
しかし、今
恐らくは、西方の一神教徒か、
どちらにせよ、
同じく月の民に敵対する者ではあるが、決して
<ひれ
――来た!
恐るべき
空気が
語感に
彼に
もし、もしも、私が只、己の力だけに頼る戦士であったとしたら、
絶対的服従――
私が仮に一人であったとしたら、間違いなく
だが、私には、友がいる、仲間がいる、信頼してくれている者達がいる、その
そして、ここには
<風の子らよ!圧制者の
心で言葉を
エイラーン神の祝福された
ビリビリと緊張に張り詰めた空気は一気に
もう、二度と奴の邪悪な言葉に
「どこを向いておるのだ?」
――!?
背後から
いや、――
――ない。断じて有り得ない。
仮に私の気を
――それに…
見えているんだ、私には。
これで、決める。
さあ、来い。
その
「ふははははーっ!どうした小娘ッ!どこを向いておるのだぁ~?目を見開き、
四方八方からファラオの
力に
経験から、感性から、本能で、奴の居場所が手にとるように分かる。
恵まれた
恐るべき力、だが、恐るるに足らぬ敵。
父さんの力を使う
だが、全力でいく。
それが名誉というものだ。
彼の名誉の為にも。
ファラオの
槍を
大地に片膝を落とし、
「――!?ガッ、ガハッッッ!!な、なぜ、
左手
「<
腹に大穴を
並の者であれば
その
だが、今やそれが
――せめて、これ以上苦しまぬよう…
「異邦の圧制者よ、ここに散るが良い」
ファラオの
速さも強さも、
只、的確に狙った
それだけで彼を苦痛から救う事ができる。
無論、それは彼の人生の
どこからともなく
まるでファラオを守るかのように。
この男――
いまだ、これ程の
出血性ショック状態にありながら、尚もこれ程の魔力、妖力、霊力の類を誇るのか。
侮り
――ならばっ!
煉瓦壁を砕き崩し、それごと
槍を握る腕に
いくぞ――
「――!?」
――違和感。
なんだ、この奇妙な感覚は。
なにか――
なにか、
ふと、
煉瓦の造形が、微妙に
まるで、それを構築している
物体が、物質が、その形状を、性質を、
なんなんだ、これは!?
「こ…小娘……や、やりおるわ……
ょ、
「!?なにを云っているの?」
鮮血で染まる黄金の口紅ごと手で
その神秘的だが今は
「
見知らぬ奇妙の異国の建物や彫像、それどころか石や砂、大地そのものが
「……こっ、これはッ!!?」
遠くに見えた
高速で飛来する巨石をすんでのところで
避けたところに
転がるように身を躱し、距離をとる。
地についた手と足が焼けるように熱い。
砂が、熱せられた
――どういう事だ?
躱しても躱しても、追い
見透かされているかのように、的確に、追い討ってくる。
――まさか……
「この周囲、地形、環境……いや、“
「気付いたところでどうにもならぬわ!
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