4話:風立ちぬ、星々のきらめき
―――――
よくよく――下らん。
地・水・火・風の
それでは、
「蛮族の
ビリッ、ビリリッ――
空気が震える、
風が、気流が、目に見えない大気を構成するその小さな
――かのように思われたのだが。
「っ!?なにっ!!」
しゅるしゅると、まるで風の
もし、風そのものに感情があったのだとしたら、そう、それは嬉々として彼女の自由を
「――ほう…」
――
知性の有無どころか、生命の有無さえ無関係に、
見事、ではあるが――
「
アンジュの背後から、そのやけに
アンジュは顎を引き、
「どうしたのだ小娘?目より
ファラオは静かにアンジュを中心に
足音は
砂を
併し、その声は移動している。
右後方から左後方へ。
アンジュが左方向に体を
常に背後を取る、そういった
「ふっ、ふふっ、ふははははーっ!
風よりも音が気になって仕方ないようだな、小娘?
同じ空気の
アンジュは左
まるで
耳を
「――…なんの
――ふははははーっ!
聞きようによっては
背後にあったファラオの声は、いまや四方八方から
明らかな
風の流れに
風はいっそ、ファラオにこそ祝福を与えているかの
ファラオの姿は、目を閉ざしたアンジュにとって最早、捉えることのできない
だが、動かない、
アンジュ、微動だにせず。
――小娘…
いまだ、目を開けぬとは。
目を開け、
なかなかの胆力。
併し、恐れ知らずというだけの話。
動かないのではない、動けないだけのこと。
それだけのこと、だ。
「この
その意気に
様々な宝飾品に
息を
――ドヒュン!
ガボンッ!――
――
向こうが見える程の大穴、
――なにごと!?
痛烈な熱気が喉元を上がってくる。
黄金のリップで
カハッ!――
一息、大きく
なんだ、この異物感は。
こ、これはッ!?
「ばっ、馬鹿な……」
槍。
蛮族の
いつの
この俺の、この神聖なる体に、
「な…なぜ……?」
片膝を大地につき、苦しむファラオの前に立つアンジュは、瞳を閉じた
星々の
「
名も知らぬ
全ては、見られていた、か。
「――…なぜ、嵐の蛮族が天宮の力を…」
「知る必要はない!異邦の圧制者よ、この地で散るがいい!」
切っ先をファラオの顔に向け、槍を
星々の光を浴び、槍の
――勝利を我が部族に!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます