第一章:風すさぶ星屑の乙女
1話:眉に星持つ者
――――――― 1 ―――――――
「――近くに
見た事もない聞いた事もないこの
奇っ怪な異国の建造物の中に入るのは返って危険。
身を隠すものが少なく発見され
外であれば、いっそ祝福の風と星々の
我が神が悪しき天空から奪い取った稲妻の子ら“
――さあ、来い!
誰であろうと、このアンジュを倒すことなどできはすまい。
それ程遠くではない右手方向に建つ
見知らぬ
奇妙な
巨大な
――間違いない、敵、だ。
輝く神槍を男に向け、
「名を聞こうか」
「――
高いとも低いともつかない、しかし、よく通る独特な声質。
男はアンジュに向け、
「
「!?」
重力変化、いや、違う。
脳からの指令ではなく、条件反射のそれに似た、機能としての働きにも似た無意識の行動が誘発され、両手両膝を大地につき、その額を下げる。
力で
全身の筋肉が
「こ、これは…」
――
風の民である私を、風の力を込めた
アンジュは口を
風は、自由。
本来、縛るものではない。
自由の民である私を、その力で縛るなど、許せない。
力強く立ち上がり、切っ先を再び男に向け、
「名乗る名さえ持ち合わせぬ
「
――
そうか、こいつが一代であの
ファラオ、と呼ばれる者が、どれ程の
「そうか、
私は、風の部族連合
我が部族の代表として
男は
「ほう、
無論、その名は聞いておる。嵐の
手合わせするのは構わんが、
「
「
「いきますっ!」
ふっと息を吹き、
猛禽類のそれを思わす、滑るような飛行で一気に
秒速100メートルを超える飛行速度から神槍ベラ・ズ・フェンティルをファラオに突き入れる。
その切っ先の速度は音速を超え、
「終わりです!」
ファラオに接敵する直前、地面に埋もれるようにして
大地に飲み込まれるようにして柱は失われ、ファラオは地に降り立つ。
目標から大きく座標の狂ったアンジュの槍は、
「
上空から一気に
ファラオの頭上から槍を繰り出す。
だが、アンジュは
――
遺跡の建造物を
大規模な
口の中が
なんてこと――
どこか内蔵を痛めたかも知れない。
成る程。
広範囲に影響を及ぼす
確かにこれは
しかし、私には風の神々の祝福がある。
この程度の不利など、
「
アンジュはそう叫ぶと、体
今や、身に
「なんの
素肌を
「そんな気は
祝福の風を全身で感じる
上下の歯の隙間からシッと高音を発し、その反射を
耳ではなく、その振動を肌で捉えるのだ。
視覚と聴覚を閉ざし、風で空間把握。
風の
その使い手においてアンジュを超える者などいない。
更に意識を集中し、魔力対抗に
光学的な
風の
集中力の高まりに風が
こうなれば、
何人であっても私を倒すことはできやしない。
――部族を救う為に。
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