第6話 仲間
「それは違う。」
私の目を見ていうシェミに私は言葉を返せなかった。
「あのね、シルア。俺達を守ってくれたのはシルア本人なんだよ。エルだって言ってたでしょ。あの時俺たちは主であるシルアを守らなければいけなかったのに、シルアは俺たちが傷つくのは嫌だからって自分を犠牲にして。俺は怒ってもいるんだよ。いくら俺たちが死にかけだろうと頼って欲しかった。皆シルアに助けてもらったからシルアに忠誠を誓ったんだ。それをわかって。」
「ごめん、さない・・・」
「うん。こっちもありがと。で、ごめんね。」
シェミに言われたことに納得できない部分はあった。私だって皆を守りたいし一緒に戦いたい。でも思っていた以上にシェミ達の思いは強かった。仲間の思いを無視してたって。
「あ、の・・・」
「何?」
改めて言うのはちょっと恥ずかしい気もするけど。
「私ともう一度契約してくれますか?」
「当り前。」
そういってわらったシェミの顔は綺麗だった。
===========
「あの、俺もう入ってもいいか?」
「あ。」
「まだ居たの。」
すっかり忘れていたエルの存在。
シェミは気づいていたようだけど。
「そういえばお前シルアが言わなくても契約するつもりだったろ。」
「何言ってんの、当たり前でしょ。」
「・・・・どういう事?」
二人が話している意味が分からず聞いてみた。
「ここに来る前、ここの話聞いたおっさん居ただろ。」
「え?うん。」
「あのシェミがあんなおっさんに気軽に姿なんて見せると思うか?」
「・・・いや、思わないけど・・・」
「俺が姿を見せたらあのジジイは絶対にシルアに話すと思ったんだ。それでシルアはここに来るだろ?そしたら契約するつもりだったんだよ。」
うっわ・・・こわいわぁ・・・・
この策を思いつくシェミも怖いし、気づいたエルも怖いわ!!
「いや、お前らが話してるときに変だなーって思ってよ。よくよく考えてみれば姿なんて見せない・・・・あっ!!!」
気づいた経緯を話している途中でエルは何かに気づいたように声をあげる。
「そういえばあのおっさん、シェミの事美女って言ってた・・・」
「そういえば、そうだな。」
気づいた瞬間にはもう遅い。
エルの首にはシェミの手がまわっていた。
「ギブ!ギブギブギブギブ!!!」
大声で叫びシェミの手をぺチペチと叩いているエルの顔は青くなっていた。
「ドンマイッ☆」
「ふっざけんな!!お前!!助けろよっ!」
「いや、だって関わりたくないし。」
必死に助けを助けを求めるエルには悪いけど助けたら私も死んじゃうし。
知っているかい?
シェミがエルを嫌う理由って元々は自分よりイケメンだからって毎日懲りずに絡んできたエルにシェミが爆発して、エルをボコボコにしたのが始まりだから。悪いのはキミだよ、エル。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます