第4話 旅の始まり
「ポーション、薬草、食料、水……はいいか。…このぐらいか。」
「うん。あ、エルは剣持ってるよね?」
「…俺を何だと思ってんだ。」
「あははっ!だって忘れてるかも知れないじゃんー」
「それはお前だけだ。」
な、なんだと?!
それは初知りー(棒)
そんなことは置いてと、ついに旅に出る準備が揃った。
これで困ることは無いよね、うん。
一応私の職業は魔法使い、エルの職業は剣士だけど、どの職業も出来るようにスキルは習得済み。生活の中でも便利だし。
「よし、早速レッツゴー!!」
そう叫ぶとエルに煩いというような目で見られた。
そんな目で見なくったっていいじゃんか。
いつもの事だろぉ?
そ・し・て!魔法で移動はできるけど冒険者なら歩いていくのが定番だよねぇ・・
と、いうとこで徒歩で目的地を目指す。
目的地は『ウーダン』
丘の上に家が立ち並ぶ地域だ。丘の上からみる景色は絶景で観光名所にもなっている。
ここからウーダンまではそう遠くない。ゆっくり歩いても半日で着く。
「ブロントワにも寄ってよね。」
「そうだな、時間もあるし。」
途中にあるブロントワは別名『泉の住まう街』と呼ばれるほどいたるところにある泉の街。美味しい水は王宮に献上されるほどだ。
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やっと中継地のブロントワが見えてきた。遠くからでもわかる水を多く使用している大きな門は綺麗だ。
「疲れたぁ・・・」
「お前、ほんと体力ねぇな。」
「そりゃ、だって戦いもしないしどっちかっていうと引きこもりに近い生活だったんだよ」
知ってる?!引きこもりって100m走るだけでも命がけなんだよ!?
そんな会話をしてそんなことを思って歩いていると門に立っていた門番に止められた。
「通行証を確認する。」
「??? 通行証って、そんなんあったっけ?」
「ギルドカード。持ってただろ。」
「あーあ、それか!」
となりではエルが呆れたような顔をしているけどカードを渡されたとき説明なかったよ。知らないことは分らないもん。
門番が確認した後、門番に「楽しんでな」と見送られちょっと嬉しかった。
街を歩いていくといたるところに水が売っていた。王都よりも遥かに安く透明度のある綺麗な水。
「エル、一本買ってこ!」
「…水はあまり必要ないから一本だけ。」
「イエッサー!!」
私は一番近くにあった店に駆け寄る。
「おじちゃん!一本ちょうだい!!」
大きな声で言うと店主のおじちゃんは「元気だなぁ!」とガハハハハ豪快に笑い一本多くくれた。それと同時にブロントワで一番綺麗な秘密の場所を教えてくれた。
「あ、そうだ嬢ちゃん。そこにはな、最近水の精のシェミエルが出るんだ。俺は見たよ、木の陰に隠れていたら金髪の美女が光を浴びてたしな!!」
自慢げに教えてくれたおじさんの情報に疑問を感じた。
「ねぇ・・・最近っていつ?」
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