第3話 冒険者ギルド



「戦争だって?!最近は無くなったんじゃないのか!」

「それがな、隣国との間で対立してるらしいんだ。」

「勘弁してほしいよ。何で人と人が争うんだ。頭がおかしいんじゃないのか王様は。」


そんな会話が繰り広げられていたのは王都、シューベンにある冒険者ギルド『ウォーリア』の酒場だった。冒険者がたくさん集うここはたくさんの情報も飛び交う。


「お二人さんは何にするかね?」

「うーん・・やっぱり酒で!」

「俺も。」

「はいよ。」



この物語の主人公二人は酒場の隅っこで酒を飲んでいた。

カウンター席に座る二人は特に何の変りもない男女。

右側に座る女性は真っ白いフード付きマントを着ていて、その隣にいる男性は真っ黒なフード付きマントを着用していた。


「はいよ。」


そういって差し出された酒はこの国の名産のぶどう酒だった。

飲んでみると、ちょうどいいすっきりとした感じだった。


「…シルア、冒険者登録いくんだろ?」

「あぁ、そうだった!」


エルはもう、飲み終わっていた。

どんな早さなんだと思いながらも、ぶどう酒を一気に飲む。


「いい飲みっぷりだねぇ、嬢ちゃん。」

「それほどでも!あ、お代はここに置いとくから!」

「まいどっ!」


そう言いながら振り返るとエンはさっさと歩きだしていた。それに小走りで駆け寄り隣に並んで歩く。


「登録場所ってどこにあんの?」


そう、聞くとエルは少し悩んで「受付じゃないか?」と答える。たしか、受付なら入り口近くにあったはずだ。

歩いていくと思った通りすぐ見つかった。


「あの、冒険者登録をしたいんですけど。」

「はい、それでは…この紙にご自身の情報を記入してください。」


受け付けにいた女の人は二枚の紙を取り出し私とエルの前に置いた。

その紙には氏名、年齢、性別、所属ギルド、職業、ランクの記入欄があった。


「代筆者が必要ですか?」


「いえ、自分で書けます。」

===================

氏名:シルアン・フォーカス

年齢:

性別:♀

所属ギルド:

職業:魔法使い

ランク:E

===================


そこまで書くと疑問に思った。


「これ、『所属ギルド』はウォーリアこのギルドでいいんですか?」

「はい。所属、というよりは登録したギルドになります。」

「わかりました。」


と、言うことは『所属ギルド:ウォーリア』でいいとして……年齢。


年 齢 。


「どーすんのこれ…」

小さな声でエルに聞くと「流石になぁ…」と返された。まぁ、適当に17歳ぐらいの設定で。

===================

氏名:シルアン・フォーカス

年齢:17

性別:♀

所属ギルド:ウォーリア

職業:魔法使い

ランク:E

===================

===================

氏名:エルド・アクタリア

年齢:18

性別:♂

所属ギルド:ウォーリア

職業:剣士

ランク:E

===================

そうして私たちの冒険者登録が、完了した。


「はい、どうぞ。このカードがあなた方の冒険者という身分証になります。これからはこの国のギルドなら使用できるようになります。無くした場合は再発行となりますのでご注意を。

また、次のランクに上げたい場合は受付で申請ができます。ですが、ランクに応じてクエストが与えられます。そのクエストが達成出来たらランクアップできる仕組みとなっております。失敗した場合や、破棄した場合は次の昇格試験は最低2ヶ月後でないと受けられません。それでは……


ようこそ!!冒険者ギルドへ!!」


そう言って紙からカードになった身分証が渡された。


「……なくすなよ。」

「努力する。」


多分なくすんだろーけどなぁ。いや、だってさーこんな細くて小さいの無くさないほうが無理あるよね。


それからはギルドからでて冒険者に必要なものを揃えた。




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