第15話 おれたるつるぎで

 私の体は、折れたる剣によく似ている。

 酷使され、疲れ果てて、何もできなくなってしまった私の体は。

 柄は錆び、刃は欠けて、役目を果たさぬ鉄くずと化した、一振りの剣に。

 滑稽だが、とても、とても良く似ていた。


 私の心は、折れたる剣によく似ている。

 真っ白で、一切の穢れなき、純粋無垢だった私の心は。

 泥に汚れ、血で真っ赤に染まり、一切の光を灯さなくなった、一振りの剣に。

 残念だが、酷く、酷く良く似ていた。


 それでも私は、ただ突き進む。

 折れたる剣を、天に掲げて、大地を踏みしめ前を向く

 誇りを胸に、自分の存在を主張し続けるのだ。

 いつか、いつか宇宙そらの揺りかごに迎え入れられる、その日まで。

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