第7話 ゆうやみにさんざめく

 真っ赤な太陽が、西の彼方に沈みゆく。

 真っ暗闇を照らすのは、チカチカはしゃぐ星たちと、雄々しく振る舞う街灯の光。

 誰かの足音、歩く音。彼らの向かうその先は、決まっていつも同じ場所。

 誰もがお家に帰る時間、皆が夢見心地に浸ってる。


 ほら、見てごらん?

 疲れた顔の老若男女。一人トボトボ、それでもきっと、心は晴れやか。

 人を散歩させている犬は、あんなにも嬉しそうに笑ってる。

 草むらに潜む虫たちは、静かな夜を盛り上げようとオーケストラを開いてくれる。

 あのフクロウの家族は、子供のご飯の時間だね。


 夕闇にさんざめくのは、無数に輝く命の音色。

 あっちこっちで、小さく、大きく。遠くで、近くで。

 煩いけれど、優しい音色。気高く、凛々しく、華々しく、艶やか。

 ほんのり明るい闇の中、世界に輝く素敵な調べ。

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