第8話 きりのむこうへ

 霧の向こうは、きっと危ない。

 いつから感じてただろう。何時から考えていたのだろう。

 確証も無しに、私はただ恐れを抱いて、霧の内側で立ち尽くしていたんだ。


 霧の向こうは、何があるのだろう?

 いつから思っていただろう。何時から夢を抱いたのだろう。

 幻想。夢想。空想。妄想。数多の想いに踊らされ、私は霧の内側からもがいていたんだ。


 霧の向こうへ、飛び出そう。

 いつから翼を持ったのだろう。何時から飛べると信じたのだろう。

 希望に満ちた世界の果てを、この目で見たいと私は翔る。

 霧は、はるか遠くに。


 

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